6話 通信遮断と仮想決闘
翌朝、俺は村の掲示板で“特殊依頼”の札を見つけた。
報酬は通常の5倍──だが条件が妙だった。
《依頼:魔術学園代理試験の仮想決闘に参加可能な者》
《注意:試験中は“外部通信遮断エリア”に入るため、外部との連絡不能》
「どうするんです?明らかに怪しい香りしかしませんけど」
「報酬が高い。それに──俺の“虚数再構築”がどこまで通用するか、試しておきたい」
「実験動機が不穏ですけど……まぁ止めませんよ。研究者魂としては」
会場は廃校舎のような魔術実験施設。俺が魔法陣の中央に立つと、警告音が響いた。
《通信遮断エリア、起動──システムセーフティ一時無効化》
次の瞬間、目の前に黒いローブの男が現れた。
仮面の中から、声だけが響く。
「コード名。試験官だ。全力で来い」
問答無用。ローブの裾が動くと同時に、足元から光線が飛ぶ。
「ッ──!」
プロセスファングを召喚しつつ、俺は《虚数再構築》を起動。
戦場に存在しないはずの“盾”を、概念から創り出す。
「創出完了。……ただの空想でも、武器にはなる」
「ほう。虚数型か。珍しい力だ……“こちら”側では絶滅したと思っていた」
こちら側?
「試験」というには、あまりに殺意が強すぎる攻撃の数々。
こいつ──最初から殺しに来てる。
「ツッコミどころが多すぎるぞ……試験で命狙うな。どこのブラック学園だよ」
「君が生き延びたら、少しだけ事情を教えてやる」
イーグラの両腕が展開し、魔術式が空間を埋めていく。
「行くぞ、転生者。君のコードは……この世界にとって、少々“危険”すぎる」
──そして、決闘が始まった。