1話 デバッグ・ラスト
はじめまして、小説投稿は初めてです。誤字脱字等あるかと思いますが、生暖かい目で見てください。よろしくお願いいたします。
僕の死因は、バグだった。
西暦2142年、東京第七圏。
深夜3時のコンクリート区画、気温12度、湿度40%。人工灯の光が無機質な部屋を照らす。僕はPCに向かい、試験用AIのコードを確認していた。
「最終デバッグ完了。実行する」
いつものように音声コマンドを送る。だけど、その瞬間、視界が“裏返った”。
──警告:存在ログが上書きされました。
──ユーザーID AIZAWA_REI は、実体記録を喪失。
頭の奥でノイズのような声が響き、モニタの中から何かがこちらを見返していた。次の瞬間、胸に鋭い痛み。心臓が凍りついたような感覚とともに、世界が暗転する。
──死んだ。理解するのに時間はかからなかった。
だが、意識は続いていた。
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目を覚ますと、空があった。
青い空。白い雲。仄かに風の匂い。
人工気象ではない、天然の空気だと直感する。
「……は?」
僕は立ち上がった。周囲には草原、遠くに森。近くには石造りの村が見える。服装も変わっていた。白いシャツと黒いコート。ポケットに、小型端末のようなものが入っていた。
《起動認証完了。ユーザー:AIZAWA_REI》
《ようこそ、EXIST-CORE WORLDへ》
音声が聞こえる。僕の脳内に、直接。
「……これは夢じゃない。仮想でもない。まさか、転生?」
だけど、ただの“異世界”じゃない。
視界の隅に、コマンドライン。足元にはグリッド状のパターン。まるで、現実にオーバーレイされたデバッグモードだ。
これは現実か、幻想か。──いや、どちらでもない。
「この世界、コードで動いてる……?」
僕は、異世界に転生した。そしてその世界は、プログラムで制御された“別の現実”だった。
名を持たぬこの世界で、僕の再起動が始まった。