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過去への電話

作者: 清水進ノ介

過去への電話


「もしもし、よく聞いてくれ。私は未来のお前だ」


 携帯電話に着信があり、私が電話に出るなり、相手はそう言った。知らない番号からの着信なら、無視していたが、奇妙なことに、自分の携帯番号からの着信だった。自分が自分の携帯に、電話をかけた?よく分からぬまま、私は電話に出てみたのだ。

「いいか、これは未来のお前からの警告だ。これから言うことを、よく聞いてくれ」

 妙な声色で、最初は手の込んだいたずらかと思ったが、相手が私本人しか知らないはずの秘密を口にしたものだから、それが私自身なのだと、信じざるを得なかった。

「先日お前は、いや、私は人を殺し、死体を隠した。ここまではいいな?」

 それが私の秘密。私は殺人を犯し、その証拠を山に埋め隠したのだ。私は「あぁ」と返事をし、相手は続きを話し始めた。

「その死体だが、すぐに警察に見つかってしまう。隠し場所を変えないと駄目だ。今すぐだ、まだ間に合う」


 私は電話を切り、すぐに死体を隠した山へと向かった。そして死体を掘り起こした直後だった。私は突然背後から何者かに襲われ、そのまま地面に組み伏せられてしまったのだ。私を襲ったのは、警官だった。気が付くと私の周囲には、何人もの警官がいた。どうやら私は、運命を変えることが出来なかったようだ。だがまだチャンスはある。これからなにが起こるのかは分からないが、過去の自分へと、電話をかける機会が巡ってくるはずだ。もっと的確に指示を出せば、警察に捕まらずに済むかもしれない。……いや、まてよ。なぜ私は、殺人を犯した後の自分に、電話をかけたのだろう?殺人そのものをやめるように、指示を出せばいいはずなのだが……。


「やりましたね警部。こんなにうまくいくなんて」

「やつが殺人をした証拠は掴んだが、死体の隠し場所だけが分からなかった。ならば、やつ自身に案内させればいい」

「あいつ、本当に未来から電話がかかってきたと、信じているのでしょうかね?」

「やつ自身の番号から、電話がかかってくるよう、細工をしたからな。実際にかけていたのは私だが、まだ信じているかもしれんな」


おわり

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