つめたい人
あの人は冷たい
肌に触れると
貼り付くような
視線を交わすと
射抜かれるような
放つ言葉は
ナイフのような
その振る舞いに
震えるような
指の先は
透き通るような
流れる涙は
雪華のような
纏う空気は
風雪のような
冷たくて
儚くて
恋すれば
壊れそうな
温もりを知らず
おのれを知らず
寄せ付けぬことでしか
拒絶することでしか
生きられずにいる
不器用な人
冷たさの奥に
何が隠れて
冷たさの先に
何を隠して
不器用なままで
生きていけるのか
そんなだから
あの人に詰めたい
冷たいままでも構わない
あの人がそれを望むなら