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神の落とし子  作者: ちゅらちゅら
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80 ダイアナの依頼

 オズが引っ越してからグレイは毎日オズの所に行っている。それに合わせてモスとスラも出かけるようになった。ミリエッタ叔母様に許可?を貰って庭師と庭のお世話を始めたらしい。庭師は高齢で作業が大変なこと。庭師のガーデンさんはモスが何となく分かるらしい。ガーデンさんの家は代々庭師で精霊や妖精と相性が良いらしい。モスとスラは庭の手入れに力が入る。


「おお、この年で黄色帽子の精霊に会えた。言い伝えは本当だった」

ガーデンさんは感激していた。身振り手振りで会話をしている。スイは除草の手伝いをして精霊印の肥料を出した。足腰が痛いと言っていたから回復薬飲ませたらしい。翌日の朝には元気になっていた。グレイの言葉に呆れてしまう。今度行ったとき説明しないといけないことがどんどん増える。


「ライ、アレフは真面目だ。商会長の孫と知っている職員はリチャットさんだけ。甘えず仕事を習っている。学院を出て、しばらく知り合いの店で働いてこっちに戻ってきたらしい。あいつと違って愛想がいい。物腰もいい。言葉も優しい。あいつも夜も早朝も剣を振って鍛錬してるけどな」


 なにを言い出すかといえば、最近現れた護衛騎士とモズ商会の御用聞き。褒めたり貶したり。グレイの琴線に何が触れたのか騒がしい。

 今日はミリエッタ叔母様の所に納品とオズへの差し入れ。地下からは美味しい果物を頼まれた。ライは好評だったお肉パンと果物パンを普通の大きさに作った。ミケには最初にあげた柔らかクッキーを追加で準備した。


 ミリエッタ叔母様の所にダイアナがいた。侍女にお土産を手渡しソファーに腰を下ろす。ダイアナの目はお土産を追う。

「ダイアナ、わたしに用事?」

「あのね、今日、ミミとシロとグレイの肖像権?登録してきたの。ライの名前で」

「・・・肖像権?」

肖像権って人の顔?妖精の顔?


「お兄様が偽本を見つけたの。絵なんて酷いの。話は同じだけど。商業ギルドに相談したら料理のレシピみたいに登録できる。偽物には罪を問えるんですって。わたしはこの本に愛着があるから偽物は許せない。お兄様は今は貴族の贈り物に使われているから偽物が広がるのは困るんですって」


「ダイアナ、貴女の作った本はとても素敵な贈り物なの。もっと作品を大切にしなさい。シャープの言うことは正しい。もし庶民にも広げたいなら色を付けなければいいわ。貴女の絵は色がなくても素敵だもの。ライちゃん、ミケやグレイ、シロはあなたにとって大切な家族でしょ。偽物がまるっきりグレイ達と似ていないのは嫌じゃないの?」


 ミリエッタ叔母様は、ダイアナに忠告と提案をした。二人の会話を聞きながらライは肖像権をなぜダイアナがライに渡したのかが分からない。


「ライちゃん、グレイ達を作れるのはあなただけ。ダイアナにとってもとても大切にしたい存在。シャープの感謝の思いが詰まっていると思うわ」


「それでね。ライにミミとシロのぬいぐるみを作って欲しいの。グレイみたいな立派なのでなくて、手のひらに乗るぐらいの。わたし嫌なの。ミミもシロも私が絵本で生きて行く切っ掛けになった大切な猫と犬。これだけは誰か知らない人に作って欲しくないの」


「ダイアナの気持ちはありがたいけど、ずーっと作るのは無理よ」


「うん、分かってる。本が売れて私の経歴の横にグレイのぬいぐるみを抱いた小さな絵を入れたの。

そしたらミミやシロのぬいぐるみが欲しいと言われて困っているの」


 ダイアナは肖像権をライに渡すことでライ以外がグレイ、ミミ、シロのぬいぐるみを作れなくした。ダイアナにとってグレイもミミもシロも特別。ライと一緒。ライの作り方を受けた工房だけがぬいぐるみを作ることができる。管理はシャープがしてくれることになった。


「何個ぐらい欲しい。それと目は猫目石使えないよ。あの石がないから」

「ううん、宝石はいらない。子供への贈り物だから」


「目は取り外しできるようにして贈られた子供が自分好みの石に変えてもいいかも。自分だけのミミやシロを作れるようにしようか?」


「す・凄い。とってもいい考え。さすがライ。50個ずつお願い。お兄様が1体1銀貨でどうかって」


「とりあえず試作した物を届けてから金額は商業ギルドで契約。ただ魔羊の綿を使うから大量生産が出来ないからそのつもりでいて」


ライはダイアナに、オズに手渡したミケとシロのぬいぐるみを見せる。

「わぁー凄い。ライ、急がないからわたしにも作って。これの小さいの・・思っただけで可愛い。可愛い過ぎる」


 興奮しているダイアナを置いて、ミリエッタ叔母様に肖像権?を貰って良いのか相談する。ミリエッタ叔母様は「よい」と断言した。これからもダイアナの作品から色々の動物が増えるだろうから気にしなくていい。きっとライの作品が次の商品の基準になると言われた。グレイからも貰っておけと念話が届く。


「ラーイ」

あの声はオズ。バタバタと走る音。

「おぼっちゃま駄目です。走っては。ハアハア」

何処かで聞いたような?ダイアナの侍女と目があった。


「オズワルド様は公爵様のお子様、事情が合ってしばらくここに逗留して居るの。ダイアナはこの間シャボン玉で遊んだわね。お兄様も知ってるわ」

「おお、ここにも少年と三毛猫…本物のミミがいる」


「ライ、会いたかった。本物のジルだ」

オズはライに抱きついたあとすぐに、前のように飛び跳ねてジルを追いかけた。

「オズ、静かにしないと・・・」


「いいのよ。子供らしくて、いずれは厳しい教育が待っているから。今だけ、この屋敷にいる時はライの家と同じでいいの。公爵様もオズワルド様の子供らしい姿をとても喜んでいます。仕事の合間によく会いに来ています。この間は、二人で木登りしていました」

ミリエッタ叔母様の話を聞いていると急に耳元でダイアナの声がした。


「ライ、あそこにいる人は?」

「オズの護衛騎士様とオズの相棒のミケ」

「みゃ~」

ミケは護衛騎士の横からダイアナの側に寄ってきた。


「もしかして?グレイと同じ?」

ダイアナは、ミケをそっと撫でる。ダイアナは自分の口もとに指を一本立てる。ライは頷く。


「ライ姉さま、今日は?」

「オズにこの間の肉ぱんと新しい果物パン、クッキーも持ってきた」

「わーーー、この間、ストーンが半分食べちゃったの」


 そう言ってオズが護衛騎士を見る。彼は真っ直ぐ前を見ていたのに顔を赤くして少し下を向く。すぐにきりりと元の姿に戻った。


「ダイアナお姉さまは、新しい本?」

「違うのよ。ライに、このぬいぐるみの小さいのを作って欲しいとお願いしているの」


「ライお姉さまはすごいんだ。お菓子もご飯も美味しいでしょう。お薬だって作れるし、僕の服も作ってくれた。ミケとシロとグレイだって作れるんだ。それに優しいし可愛いんだ」


「あら、足りないわよ。ライはあれで結構強いの」

「強い?」


 ダイアナはライとの出会いを話し始めた。ミケはいつの間にかオズの膝に乗り移る。ダイアナの冒険談?に夢中のオズに抱きしめられている。


「さあ、お話は終わり。ダイアナは帰らなくていいの?」

「あっ、お兄様にパンを・・・」

「ライのパンを詰めたからこれを持って早く帰りなさい。絵本作家の先生。約束を守るのは信頼の第一歩よ。いつまでも学生気分ではいけませんよ」

「すぐ戻ります。ごきげんよう。ライまたね。オズ元気でね」


 慌ただしくダイアナは帰っていった。ダイアナは、学院を優秀な成績で卒業した。数多の婚約申し込みを蹴って絵本作家として商会を立ち上げた。もちろん兄のシャープが中心になって。貴族女性が一人で生きていくのは難しい。妹思いの兄の手助けだろう。


 どうしても今食べるとオズが珍しく我を通した。ミリエッタ叔母様とお茶を飲みながらパンを食べる。子供らしいオズの姿を見ることができた。公爵様とも会える。叔母様のとこで良かったとライは思った。


「ストーンさんも、こちらで」

「いえ、私は後でいただきます。できれば、各種2個ずつお願いしたい。これは、とても美味しいです。初めて食べ物を美味しいと思いました」


「えっ、食べ物?美味しいですか?」

「食事は体を作り、頭を動かすための物です。身体によければ草でも魔物でも食します」

「ストーンは強いし頭もいいけどカチコチなんだって。執事のストロングさんが言ってた。だからここに来たんだって。このままじゃお嫁さんが来ないって」

項垂れる護衛騎士、見ている分には楽しいが、身内は困っているのかもしれない。


「オズワルド様、あんまりです」

「だってー、ストロングさんすごく心配してたよ」

「オズワルド様、もう言わないで下さい」

護衛騎士なのに護衛者に背を向けた。首筋まで赤い。可哀想に。


『なんだあいつはしっかりしてると思ったら抜け男だったか?ムフフ』

グレイの念話が届く。グレイは、ストーンさんで遊びそうだ。


 楽しく伯母様のところで過ごして家に帰る。間を置かず来訪を告げる音がする。モズ商会のアレフだった。洗濯洗剤が好評で工房から工場にすること。手荒れの薬が美肌になると購入者が増えているということだった。すぐに返事を書くと言って居間でリリーにお茶とお菓子を出すよう頼む。


 手荒れの薬は治療用。手は常日頃手袋などで保護されず風や水、仕事などで酷使する。だから足の裏に次いで手の平は皮膚が厚い。さらに切り傷、擦り傷に対応するため薬の効能を高めに作る。あくまで手荒れの治療薬。


 それを顔や身体に使うのは過剰使用で長い目で見れば皮膚が薄くなり、赤みが強くなる。すぐに顔や首、体への使用を中止するよう手紙を書き上げた。居間に戻ればアレフが幸せそうに果物パンを食べている。


「とても美味しいです。ライさんは凄いですね。料理は上手で、仕事もできる。可愛い。お嫁さんにしたい、一番です」

照れもせず、しれっと褒め言葉が出る。さすが商会の人。


『こいつはライのこと良く分かっているな。パンをほんとに美味しそうに食べる。こういう奴はいい奴だ。仕事も真面目にやっている』

グレイの念話。リリーも頷く。


 そうかな?ギルバートさん、ピエール、リチャット、ボブさんも宿屋の親方もみんな優しいし、頼りになる。アレフさんばかりではないとライは思う。


『ライ、まあ、みんな優しいし頼りになるけど結婚してる』

「それが?どうしたの?」

『まだ早いか、、、?』


「グレイ、職場まで見に行ったの?」

『当たり前だ。ライに関わるやつは俺が目を光らせないと』


 どこがが当たり前だか分からないけど、グレイの過保護が発動している。アレフさんは返信の手紙を受け取ると走って帰っていった。時間待たせすぎたか?


 地下に行って魔羊綿と羊綿を白、茶、黒の三色と目になる小石の準備。木工の得意な妖精に本を見せ少年とミミの出会いを木の人形で作って欲しいとお願いした。お礼はふかふかケーキとガーの卵のオムレツ。即答だった。

誤字脱字報告ありがとうございます

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 今回誤字がひどすぎる あまりにも多過ぎ
[気になる点] まああいつ夜も「総長」も剣を振って鍛錬してるけどな す「・」凄い。 普通の句読点で良いかと 50個「筒」お願い オズが護衛「岸」を [一言] いつも面白いお話をありがとうございます
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