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神の落とし子  作者: ちゅらちゅら
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45 ライの錬金術の修行

 ライがリアおばあちゃん改めリア師匠に学べる時間は一年しかない。

週に一度は冒険者ギルドの依頼を受けて、ギルドカードの維持と素材の採取に充てる。残った時間を薬師の手練と錬金術の勉強に当てた。


 仕舞ってあった調剤の道具や薬草棚を作業部屋に設置した。保存保持のかかった高価な薬草棚 。ほとんど劣化の見られない魔法カバン。さらに、棚の中には目いっぱいの薬草が詰まっていた。リア師匠は驚いていた。


 懐かしい薬師のお婆の文字が並んだレシピ帳も出てきた。

お婆とライしか開けられない薬草棚など田舎の村長には無用の長物でしかなかった。それを見込んでいずれはボブさんからライに渡るよう準備してくれていたのかもしれない。


 錬金薬も普通の薬師の作る薬も使う薬草は大きくは違わない。魔力を込めることにより幾つかの手順が省けたり使う薬草が少なかったりする。

また追加することにより効果が高かったり効果が早く現れたりする。その分体に負担がかかることもある。さらに値段の差もある。両方の特性を理解して使い分けられるようにしたい。


 リア師匠曰く。錬金術師は魔力がいるのでどうしても貴族の子弟がなることが多い。貴族であるという驕りが先に立つので錬金薬より錬金金属や錬金宝飾など見栄えの良いほうに進む者が多い。


 地道な錬金薬は華がないから人気がない。貴族でも魔力の少ない者が進む道ととらえられている。でも錬金金属や宝飾なども地道な努力が必要で大成する者は少ないらしい。結局下請けの仕事をこなすか、いっそ錬金術ができるという箔をつけて婿入り嫁入り先を見つける。


 錬金術師がみなそのまま仕事に着いたら、街に錬金術師が溢れてしまう。もともとお坊ちゃまお嬢様と大切に育てられた人たち。

泥のついた薬草を洗ってナイフで刻むことや、硬い石を砕くなど出来ようがない。本気で修業しようと頑張れるのはほんの一握りいればよいほうだろう。


 師匠も最初は祝福で得たスキルを活かすことさえしなかった。習い始めてもそれほど力を入れていない。

だから、ほとんど身につかなかったと言っていた。


 錬金薬の仕事はめんどくさい。

魔力操作が加わる上に、できた薬のランクはしっかり出るので腕に不安のある者は錬金薬には進まない。


リア師匠は運命の人(旦那様)に出会えて、人生が変わった。

ライは薬師のお婆に出会って人生が変わった。

調剤の基礎を身に着けている。あとは、何を省いて何を加えるのかを考える。そこに魔力操作が追加される。錬金術師が、薬草の見分けから下準備を最初から学ぶのは大変だ。


 錬金窯の底からポコポコと小さな気泡が湧いてきた。ここで火力を弱めて細く長くゆっくり時間をかけて魔力を込める。魔力を込めながら泡立てないようにかき混ぜる。液体の色が薄い透明な黄緑になると一瞬錬金窯の液体が光る。中級のポーションが出来上がった。


 透明度が高いほどランクは高い。必要な薬草は初級より多く手順は複雑になる。リア師匠の魔力は貴族の令嬢としては普通だが、錬金するには少ない方らしい。魔力が高いものは、魔法師や魔導士といった魔法特化に進む。魔力操作が苦手だと零していた。


 リア師匠は残り半年。ライを育てると張り切っている。食欲も出て体力がついたのか、ライという弟子ができたせいか生き生きとしてきた。

息子の家の離れに錬金工房を作って、あちらでも仕事を続けるらしい。しっかり稼いで息子夫婦を助けたいらしい。


この前までは『お世話になるなんて』と言っていたのに、養っていく勢いだ。

まずは基礎が大事と半年は座学と初歩の錬金。半年後やっと中級のポーションまでできるようになった。


「まだできないの?」

錬金薬を小瓶に移してる横でグレイが騒いでいる。

ポーションでも作れというかと思ったら、食べ物ですか。

ブレませんねグレイさん。グレイが食べ物と騒いだのは『錬金でできる美味しいお菓子』の本を見つけてからだ。


 リア師匠の家に同居するにあたってライは、個室をもらった。自分の部屋が出来たので、薬師のお婆から貰った本を全部カバンから取り出した。

薬草や鉱物、魔物素材の分厚い本の他に薬草の育て方から野菜の育て方、旅の紀行文や魔道具の入門書、初めての錬金術なんて本もあった。


 当然料理本もあったが、これは開いた跡がない。何冊かあった料理本の中に『美味しい錬金術』・『錬金でできる美味しいお菓子』なんて本があった。お婆は錬金釜は持っていなかった。


 錬金術関連は妹のリア師匠を思ってのことだろうか。『美味しい錬金術』・『錬金でできる美味しいお菓子』2冊の本を見つけたのはグレイだった。もう少し余裕ができたら、本もそろっているから少し頑張ってみよう。それまでグレイが待てるか心配だ。

誤字脱字報告とても助かっています。ありがとうございます。

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