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神の落とし子  作者: ちゅらちゅら
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39 ノームモスとの出会い (1)

 ライはリア師匠との生活に慣れた頃から少し遠くの森まで薬草採取に精を出していた。


 リア師匠からの珍しい薬草の依頼があったからだ。ライも錬金術で使う薬草を色々知ることが出来る機会が増えた。

リア師匠は、錬金で作る傷薬や回復薬を手を取り教えてくれる。薬師のお婆を思い出す。


 出来た製品は旦那さんが使っていた簡易鑑定機で効果確認して取引先の商会に卸す。

薬師のお婆に教わったことが錬金薬作りでもとても役に立った。


 薬師が作る薬はゆっくり効果が続くし長期に使っても体に支障を起こすことが少ないし価格も錬金薬に比べれば安い。

 錬金薬は薬効が高いうえに効果の発現が早い。価格が高い。短期集中型だ。


また使う錬金素材は薬師が使う薬草に似ているが、効果を高める別の素材が必要になる。冒険者が使う回復薬が良い例だ。


 薬師の作る回復薬は疲れや体力の回復を促し小さな傷を治せても大きな傷は時間をかけても治すことが出来ない。

 魔物に付けられた傷は解毒と共に傷を錬金薬で一気に治す。錬金回復薬。さらにランクによって効果も変わってくる。

 

 錬金術のスキルと魔力を有することが大切だ。さらにその人の持つ属性でも変わってくる。

 薬関係に適した錬金術師は水属性。金属錬金は土属性。昔は色々な金属から金を作ると騒がれたがそんなことが出来たことはない。

魔法が万能でないように錬金術も万能ではない。


 錬金術のスキルが無くてもライはリア師匠の指導の下、錬金薬を作っている。ちょっと平民にしては多い魔力量。変わった生活魔法(リア師匠曰く)でスキルが無くても学ぶことは出来た。

どんな仕事にも師は必要だ。ライはリア師匠との出会いに感謝してしっかり学ぼうと思っている。


 今回は火傷薬の依頼が入り特別な薬草、ヒヤリン草が必要になった。

リア師匠の知り合いの女の子がお湯で火傷をした。治療院で火傷自体は治ったが皮膚にみみずばれが残ってしまった。

それ以上の治療だと大金がいるから女の子も両親もあきらめた。

 

 リア師匠は以前ご主人と作った薬で皮膚を少しでもきれいにしてあげたいと考えた。ただこの薬は特別な薬草と多くの魔力を必要とする。

リア師匠一人で作ったことはない。


 ヒヤリン草については冒険者ギルドの資料室で調べてみた。

イートンから離れた森奥で採取されたと記録があった。めったに採れない薬草。

清き水と豊かな土と魔力の多い所でしか育たない。以前採取したのは偶然迷い込んだ森奥らしいことが分かった。


 ライとグレイは森の奥の泉の近くか森奥のくぼ地へ行くことにした。

リア師匠には森奥に行くことは告げずに街を離れた。

 グレイと共に朝早く獣道に沿って森奥に進む。獣除けの薬草玉を腰につけ風魔法で自分自身に隠遁を掛ける。


 グレイは大型魔獣を避けながら泉をめざしてライを道案内する。ライは時間停止カバンを持っている。ヒヤリン草を新鮮に運べる。火傷の治療は早いほど治りが良い。


 鬱蒼とした森の中を数時間速足で駆ける。獣道がなくなってもグレイのスピードは変わらない。

久々の森をグレイは楽しんでいるようだ。妖精には街より森の方がいいのかもしれないと考えているうちに少し開けた草地が現れた。その奥に小さな泉が湧き出ていた。


 新鮮で育ちの良いヨモ草・ケンナ草・ロキ草・アス草あれば魔力草に毒消し草、目についたものはどんどん種類別に分けてポーチに仕舞っていく。鑑定を使ってヒヤリン草を探すがなかなか見つからない。


グレイはここを離れて他の薬草の群生地を探しに出かけた。グレイは森のあちこちを飛び回りヒヤリン草を探しながら食べられる物も探した。

ぶくぶくの実・アワアワの実、醤油もどきの実・味噌もどきの実、ライの欲しがっていた油の実に赤い花の実、探せば色々あり過ぎて森の奥に入り込んでしまった。

誤字脱字報告ありがとうございます

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