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神の落とし子  作者: ちゅらちゅら
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13 祝福のスキルについて

 ライは冒険者ギルドで初めて依頼を受けて薬草を納品をした。ボブさんに立て替えてもらったお金を支払うために納品代金を現金で貰う。


「ライ俺は納品が多い。2階の個室に行くからついて来い」

慣れた様子で迎えに来たギルド職員と一緒に階段を上がっていった。2階の廊下を挟んで幾つかのドアがある。2番目のドアの部屋に案内された。


「こちらでお待ちください。すぐ鑑定師が来ます」

「鑑定師?」

「納品の種類が多かったり薬の様に中身がわかりにくい物は鑑定というスキルを持つ者が対応する。

スキルって知っているか?」

「ううん 知らない」


「7歳になったら教会で祝福を受けると女神からスキルを授かる。

剣のスキルなら人よりも剣が上手になる。

調剤のスキルなら薬師になる者が多い。

鍛冶スキルなら鍛冶屋になる。同じ努力をしたらスキルのある者の方が上達が早い。

庶民は7歳の祝福後に仕事を決めて見習いに入る者が多い。」

薬師のお婆が言っていた7歳の儀の事だ。


「自分の望まないスキルだったら・・・違う仕事に就けないのですか?」


「そんなことはない。スキルは育て鍛えることによって色々な仕事に応用できる。

計算が得意なスキルでも商人にも文官にもなれる。スキルの活用しだいだ。


子供はちょっとしたことで死ぬ。だから7歳までは神の子。7歳を越したら人の子と言われている。

 7歳を無事に迎えられたことを女神に感謝する。女神がスキルという祝福をしてくれるんだ。

祝福とは女神さまからのちょっとしたお祝いだな。


 でもスキルに囚われないことも大切だ。鍛冶屋のスキルが無くても有名な鍛冶師はいる」

7歳の祝福の儀が人生を決めるわけではないんだと思った。


 声をかけられた後に鑑定師が部屋に入ってきた。特別なマントや服を着ているわけでもなくごく普通のギルド職員だった。


「おっ、期待はずれだったかい。そんな特別な仕事ではない。鑑定のスキルを持っている者は、結構いるんだよ」

驚いた顔をしていたんだろうか。思わずライは下を向いてしまった。 


「ごめんごめん。鑑定師というと小難しい顔をした背広を着た年寄りを想像するよな。

 でもね、スキルだけで鑑定できるわけではないんだよ。鑑定のスキルの鍛え方で薬、宝石、魔物、植物に詳しくなっていく。

 さらに宝石や薬などの専門分野に分かれてより細分化する人もいる」

にこやかな笑顔で話してくれた。


 ボブさんに向かって一礼して、ボブさんと広い机を挟んで腰を掛けた。

「ボブさん半年ぶりですね。どうですか今年の商品は?」


「なかなかいい物が入りました。大鹿の角に傷の少ない毛皮、魔石も大きい物があります」

ボブさんはカバンから村々で購入した物や売りを依頼された物を次々机の上に出していく。出された商品の上にどんどん商品名と金額の書かれた木札が載せられていく。


「これとこれは詳細を書いて欲しい。現金を渡さないとならない。

あとこれとこれも詳細を書いて欲しい。これは花嫁衣裳の布を代わりに買って行かないとならないから」


「ボブさんは本当にいい人ですね。いつも村からの頼まれごとまでお世話して」


「いいんですよ。私は薬を売るのが商売。村の中には質の良い薬草を取って置いてくれる者も多い。お互い様持ちつ持たれつですから」


 2時間ほどたった頃、商品の取引が終わった。記入の終わった札を他の職員が回収して代金の支払いの手続きをした。

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