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神の落とし子  作者: ちゅらちゅら
1/176

1 この家を出ていこう


   この家を出ていこう  

   この村を出ていこう


 私はちびと呼ばれている。両親と兄二人年の離れた5歳の女の子だ。

小さな家と家の前の畑と裏の薬師のお婆ちゃんが私の世界だった。


小さい体。ほとんどしゃべらないので、陰気な子だと言われている。 

黒髪に黒目は、両親にも兄たちにも似ていない。

毎日、裏の薬師のおばあちゃんの所で働いている・・・のだろうか?

お婆からのお駄賃を、毎日1鉄貨貰ってお母さんに手渡しているから、そうだと思う。


 家に居ても野良仕事の役に立たない。お婆に子守を任せているようなものだ。

それでも少しづつ、お婆の手伝いが出来るようになった。

それが1鉄貨貰える理由。1枚の鉄貨がどれほどの物か私にはわからない。

だって家から出たことがない。お婆以外の村人なんて、たまに来る村長しか知らない。


 それにお母さんもお父さんもお金を稼いでない。いつも家でできた野菜や森の実りをどこかにもって行く。それはパンになったり、少しの肉になったりして戻ってくる。

兄ちゃんたちは食べ盛りで、食料はちびのとこまで回ってこない。

 物々交換が当たり前の村で貨幣は珍しく、そして貴重だ。


 たまに行商の人が街からくる。お婆の所には商人は薬の買い付けに来る。

ついでに商品を売るらしい。お婆の薬草は特別らしく商人は喜んで買っていく。

その時甘くて、小さな塊をライにくれる。

お婆は「蜜玉」って言っていた。それ以来商人が来るのが待ち遠しくなった。


 夜遅く父と母が、小さい声で話していた。 


「ロンの結婚で金が必要だ」

「ちびの迎えも来ないし、もう良いんじゃないの」

「そうだな 飯は食わせたし大きくなった」

「そうね。結婚するなら部屋や牛小屋の増築も・・・」

「結構かかるな」

「・・・・・・」


「村長に相談して春に出すか?」

「そうね。村長も孫娘の嫁ぎ先に不審な子供が居るのも困るだろうし・・・」

「薬師のおばあには村長から言ってもらうわ」

「結構可愛がっていたからね・・・反対するかな?」

「うちが拾ったんだから…無理言わないだろ」


なんとなく分かっていた。ちびはここの家の子でない。だって、・・・・。

撲られたり怒鳴られたりはしないけど名前を呼ばれたことがない。

名前があるのかもわからない。


家か薬師のお婆のとこしか行ったことが無い。村の祭りも、行商人が来ても外には出してもらえなかった。

でも、それが普通だと思っていた。

ちびは、村から隠された居ない子供だった。


居なくなっても誰も困らない。すっと心の中のもやもやが消えた。


 売られる前に、ここを出ていこう。 

誤字脱字報告ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
小さな塊をライに、のライというのが唐突すぎて、ちびは本人も名前わかってないみたいだし婆さん父母兄弟誰の名前でもなさそうなので誰?と困惑します。 あとでつけられるちびの名前かな?とは思いますが物語とし…
[良い点] ほんとうにまだ1話しか読んでませんが、書き方や言葉遣いなどスムーズに入っていけました。 [気になる点] ライで男の子かと思ったら女の子だったw(別におかしくはありませんが) [一言] 5…
[良い点] まだ読み始めたばかりですが、なかなか面白そうな雰囲気…読み進めさせて頂きます。 [気になる点] スマホから見ていますが、所々改行が不自然なところが見受けられます。 誤字報告では改行の修正に…
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