第四話 フォルン
ここまでが回想。
僕は今、このフォルンってやつの話をずっと聞かされているわけだ簡単に言えば質問攻め。
「ふーん、で何でスロウスが妖精の大樹で寝てたわけ?」
「スキルの練習…基昼寝をしに来ただけだけど?」
聞かれたら答えてやるのが世の情けってやつだ。とりあえず暇潰しにコイツが聞きたいことは全部話してやろうと思う。
『欲望に忠実なのね、名前の通りだわ』
「名前の通りって失礼な奴だな、これでも一応、“ゆっくりと柔軟に不規則に”っていう名付けの理由があるんだからな」
コイツ、名前に難癖つけやがった羽でもむしり取ってやろうかな。
だけどコイツは“睡魔”
コイツの鱗粉を吸ってしまえばたちまち気持ちよく寝ちまう。最悪の場合、永眠だな。
まあ、それはコイツの気分次第だが。
『スロウス、今変なこと考えたわね』
「変なことって何だよ」
っち…コイツ変なところで勘がいいぞ。適当に誤魔化しておけばいいか。
「あ、変な事に当てはまるかわからないけど可愛いなって思ったよ、羽から零れ落ちる鱗粉とか、水色の綺麗な布とか、白くて綺麗な肌とか、すっごく可愛いよ」
よし、これでどうだ。リーマン時代に鍛えた僕のお世辞は下手だけど。
貴族としての勉強はお母様にこれでもかと鍛えられてる。
だからこれくらいなら言えるんだ、僕はフォルンの様子を伺うとフォルンはデレデレしていた。
『えへへ~?本当~?ここまで褒められたら嬉しくなるわよ~』
ちょっろ、え、こいつここまでチョロいの?
『あんた、今も不名誉なこと思ったわね』
「そんなことないよ」
『えっでも』
「そんなことないよ」
『いや、で「そんなことないよ」』
コイツ、勘がいいんだった。
忘れてたゴリ押しで誤魔化しておいたから大丈夫でしょ、納得いかなさそうな顔してるけど。
まあいいや、僕はもう帰りますか。
『ねえ、スロウス。』
「なんだよ」
コイツ、最後の最後まで僕に質問する気か?今度は何が知りたいんだ!
『あんたってこの世界の人?』
…なんだ?今なんて言った?余りの衝撃にぽかんとアホ面をかましていると
『この世界の人間かって聞いたの!!』
「んー、、今はそうなんじゃない?」
僕は曖昧な答えを返してやった。もうあっちの世界の住人じゃないのだから、関係はない
「で、どうしてそう思ったの?」
だけど、これは聞いておきたい。帰る前に
『え?だって、スロウスってば胸の真ん中辺りに人間じゃ絶対にない黒い穴があるじゃない、魔人でも穴はないけどね』
「黒い穴?」
想像の斜め上を行く質問に聞き直してしまった。
『うん、そうよ?まるで、妖精の大樹。あの大樹はこの世界のものだけど人間と魔人には見えない穴があるの。その穴は妖精が出入りできて住みやすいの。その穴にそっくりね』
僕の体が妖精にとって住みやすい環境であるって事か?少し黙りこくると僕は彼女に向かって
「なあ、フォルン良かったら僕と一緒に来ないか?」
仲間にならないかと誘っていた。
『あんたの所に?いいわよ?あんた面白そうだし』
これがRPGの世界なら今、テロップに「フォルンが仲間になりました」って出てるんだろうな。
フォルンは僕の中に入っていく。異物が入ってくる感触はなかなかに気持ち悪く吐き気を催すような物だが中に収まってしまえば…
なかなか、、安心してしまうようなものがある。なんていうんだろうね、孤独じゃないような。
「じゃあ、帰るか」
『さっさと帰りなさい、私は少し寝るわ』
脳内でいきなり喋らないで欲しいなびっくりする。『あら、何か文句でも?』げ、こいつ僕の精神にいるから心読んでやがる。
これは面倒なことになった。
まあ、いいや勝手に眠っててくれ。
そうフォルンに思うと僕は歩いて屋敷へと向かって帰って行った。
そうそう、お母様とお父様にはどこに行っていたんだ!!とお叱りを受けてしまった。
親バカにも困ったものだ、まあ心配してもらえる幸せを感じられて僕は涙が出てしまったよ。
それを見てお父様達は許してくれたけど。
疲れたから僕は自分の部屋に戻ってベッドで眠る事にした、今日はもうおやすみなさい。
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