第十三話 パフォーマンス
「準備はいいか?」
『「「当たり前(だ!)(です!)(だわ!!)」」』
カツカツと音の響き回る暗いレンガで出来た廊下を歩き、光ある方へ闘技場へと進んでいく。
既に観客は満員の様で熱狂的な歓声が響き渡る。
『っさあぁぁァ!!集団戦闘が始まるぜェッ!!楽しんでるかァッ!?テメェらァ!!』
戦闘前の説明が始まった、これから俺達の紹介がされるみたいだ。
『今回!集団戦闘の解説をさせて頂く、俺様の名は戦闘趣向者のロールだァッ!!俺の紹介はさておきッ!!戦うヤツらの紹介をして行こうかァッ!!』
『フォール家に対する侮辱をした田舎者ッ!!イズフォルテ家一行のスロウス・イズフォルテ!!邪妖精とそのメイド!暴れ牛ジャック!!対するはッ!田舎者に鉄槌を降す、侯爵家の一人息子!!貴族としての格を見せつけるフォール家一行!ハウランド・フォール!!そして、そのお供である。猿舞のアンガース!!そして、風雲のトレイ!!』
酷い紹介をされながら俺達とハウランド一行は暗い廊下から出て来ると、闘技場の広いグラウンドへと出てくる。
金髪残念イケメンのハウランド
ガタイのいい大男。風雲のトレイ
細い男だが、猿のようにすばしっこいと言われるアンガース。
2人ともハウランドの後ろで見ていたやつだ。
ハウランドの取り巻きの隊長格と見ていいだろう。
取り巻きの顔全員は結構な数がいたので覚えていないが体格位は一応覚えている。1番がたいのいいトレイと1番細いアンガース。覚えやすいな。
「待たせたな、田舎者。いずれも酷い顔触れだな特にお前だ、メイド。顔はいいが性格は難アリだ。さっさと土下座して謝り、夜伽をしに来ると宣言すれば許してやったものを」
「ハウランド様の言う通りだ。貴様のような女、それもメイド如きがハウランド様に楯突く等万死に値する。貴様のご主人とやらもすぐにハウランド様の目の前で、いや目の下で這い蹲る事になるだろう。嫌でもこの俺が這い蹲らせてやる。顔も体もいいハウランド様のメイドとなれ」
「けけけっ、テメェらの顔なんざすぐにでも泣きっ面にしてやっからよぉ?」
命令口調でラティスに向かって話しかけるトレイと俺たち全員を泣きっ面にすると笑うアンガース。
やっぱりあれだな、ペットは飼い主に似るって言うもんな、、アンガースとトレイがペットって言う訳では無いが似たようなもんだと思う。
すると、ラティスが1歩前に出て
「あら、ご主人様に何たる侮辱を、今すぐにでも殺して差し上げますわ?」
鞭を取り出しハウランドに向けて、不敵な笑みを浮かべながらトンデモ発言をする。
そこは問題ではないが、彼女のその冷たい笑みは見る人が見れば惚れてしまいそうになるだろう。
前世の俺じゃなくて良かった、変な性癖をこじ開けられるところだ。
ドSメイドの冷たい眼差しとか、やばいよ。
俺はまあ、昔からの付き合いだから苦笑いで済むけど前世の俺ならやばかったな。
「早くぶっ飛ばそうぜ、スロウス!待ちきれねえ!」
シュッシュっと腕を突き出してこれから起きる戦闘がもう今か今かと待ち続けるジャックは、お座りと待てをしている状態の犬がいてもたっても居られないような素振りを見せているかのように動き続ける。
『私はあんたとあの金髪残念イケメンをやっつければいいのよね』
フォルンはフォルンでいつも通りだった。
うん、安心するわ
「あぁ、ぶっ飛ばしてやろう!あのイケメン面を!」
にっ!と笑うと相手方はふっと戦闘前から勝った気でいるのか、余裕そうに鼻で笑う。
だが、本当に勝つのは俺達だ。
「では、ご主人様。私はあの風雲のトレイを」
「なら俺は消去法であの猿舞のアンガースをやらせてもらうぞ」
お互いにどの相手をやるか選びお互いに向き合う。
俺は剣を、ラティスは鞭を、ジャックはナックルダスターを取り出し両手に嵌め込む。
そして、お互いに武器を構える。
そして―――
『両者共に戦闘前の挑発行為が白熱してるみてぇだなァッ!!これは、集団戦闘も楽しみだァッ!!俺も!!テメェらも!!お前らも待ちきれねえな!!早速開かれるぜ??血湧き肉躍る熱き戦いのォ!!開始ィィィ!!!』
戦いの火蓋は切って落とされた。




