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第1話 犬士九人目のコンプレックス

前回の妖怪退治で新たに加わった真の玉の犬士、

浜路里見。

平和な時代の今、

浜路里見は病院の警備員をしていた。

◼️

夜勤明けの朝、犬士のアジトである地下大阪城の食堂で朝食を食べている。

と言っても買ってきた弁当を食べている。

母、浜路正月から料理を教わる事は無かった。

考えると悲しくなるので無心で食べる。


「おはよう里見ちゃん」

犬神真人が道着姿で食堂に現れた。

朝食(里見にとっては夕食)の後、二人で稽古するのが日課である。

犬神「唐揚げスペシャルおいちぃか?」

そう言って里見の頭を撫でる。

里見「おいちぃわ」

二人は別に恋人ではない。

犬神はただ育ての親同然なだけである。

本当の父は異星でスーパーマンをやっていて何年も帰っていない。

犬神は未婚のまま40才を越えてしまい父性のみが肥大した。顔は不細工な方だし、恋ひとつした事なく今に至る。ただ里見の父親代わりを勝手にしている。

両親に会えない里見を思っての事である。

赤ちゃんの頃はオムツ替えもしていたし、

お互い恋愛感情は微塵もない。

それに犬士達は皆、遠い兄妹のような物かもしれなかった。

犬神は里見のほっぺを手の甲で撫でながら、

「よちよち」

あまりしつこいとうざがられるので、

まだ愛でたい気持ちを抑えて先に道場へ向かった。

道場では違う意味で可愛がる事になる。

◼️

里見は犬士として不老となった事に漠然と不安を感じていた。

子供の頃から不老不死の不道徳性を謳った物語を見聞きしてきたからだ。

女であるならば夫は?子を産めばどうなるのか?

嫌になったらどうするのか?

犬神は現代の侍として生きているから迷っていない。

しかし里見はただの現代っ子である。かつて犬塚犬坂以外の犬士がそうしたように、死を望む時が来るかもしれない。

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