女子高生の話1/3
今回の連載はあえて主人公たちに名前をつけてません。(べ、別に考えるのが面倒とかじゃないですよ!?ええまったく!?)
ちょっと読みにくいかもしれませんが彼女たちの日常をお楽しみください!
定食屋にファーストフード、携帯ショップにパチンコ屋、家具屋に文房具屋。そんなお店の立ち並ぶメインストリートから1本入ったわき道。地下へと続く薄暗い階段。看板もないドアを開ける。
「いらっしゃい。」
中にいた男性の店主がスっと笑い、声をかける。その声は女性のものだった。どうやら男装してるらしい。彼女はどこからどう見てもすごく綺麗な男性だ。男装しているとは言えないほど似合っている。
8畳くらいの部屋に3つ分の席とカウンター、その後ろにはズラリと並んだお酒。ここはどうやらバーのようだ。
席にはすでに2人が座っていた。扉から見て1番奥に座るはゴスロリの女性。白と黒をバランスよくあしらえ、少しメイド服に近い感じだ。その隣に座るは女子高生。キャメル色のブレザーにごく一般的な赤チェックのスカートを膝上15cmまで短くし、これまた赤チェックのそこそこ大きめなリボンをかなり緩めに付け第2ボタンまで開けている。
「あれ?もしかして私が最後?」
そうつぶやく女性はパッキリとしたズボンタイプのスーツで身を包んでいる。髪はキュと高めの位置でひとつにまとめている。
「そー。」
「お仕事おつかれさまです。」
女性は空いている最後の席に腰掛ける。
「もー遅いよ?」
女子高生は不満をていしながらもスマホでなにかを打ち続けている。
「仕方がないでしょ?あんたみたいな女子高生と違って社会人は忙しいの。」
「さすが、できるキャリアウーマン。」
男装の麗人が茶化すようにニコニコしながら言う。
「あら、わたくしも社会人ですよ?」
ゴスロリは優雅にコーヒーをひと口飲み、ほっと息を吐く。
「あなたは自営業でしょう?都合つけやすいじゃない。」
「まあ、そうなのですけどね。」
「それで?今日はどうする?」
キャリアウーマンはお酒の並んだ棚を見ながら少し悩んでから返答した。
「今日は白ワインにしようかな。」
「おーけー。」
男装の麗人は棚からグラスとお酒を手に取る。
「今日はコーヒーなのね?」
「ええ。明日朝からお客様との予定がありますから。」
「そっちは?」
「うち?うちはーカシオレ!」
そう言いながら女子高生はぐいっとお酒を飲む。
「あいかわらずそういうの好きねぇー。」
コトっとカウンターにお酒が置かれる。
「はい。あとぼくからおまけにおつまみ用ナッツもあげる。」
「ありがと。それで今日の話題提供者って誰だっけ?」
キャリアウーマンの問いに女子高生が手をあげた。
「はぁい。うち!・・とは言っても最近面白いこと特にないんだよねぇ。こないだまでテスト期間だったしー。」
「学生はテストがあって大変ですね。」
「まぁ、好きでやってるんだからいいけどねー。」
「結果は?」
男装の麗人が椅子を持ってきて座りながら訊ねた。
「ふふーん!オール満点!」
「そりゃそうよね。」
「なにー?今日ちょっと当たり強くなーい?」
「開口一番遅いなんて言われたからね。」
その瞬間女子高生は突然カウンターを叩き立ち上がる。
「何?どうした?」
「思い出した!面白い・・ことじゃないけど、話題になること!」
「では本日はその話題で。」
「うん!あ、でもその前にカシオレおかわり!」
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若干1名やばいことしてますが(女子高生がお酒とか・・)、何の問題もないんで安心してください!今はまだわからないですけど、そのうちわかるので! ※未成年はお酒飲んじゃダメですからね!
サブタイにもなってる通り、各章毎回4人のうちの誰かが話題提供者となって話していくって感じで書きます。各章3~4話に分けて投稿するつもりです。まだ始めたばかりな上、先の展開を決めてないんでもしかすると変わるかもですが・・。各章はなんとなくつながってるレベルにする予定なので、どこから読んでも楽しめると思います!