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smoke world  作者: Oill k
2/3

目が覚めたのはお昼過ぎのことだった。

母は2時からパートの為、

化粧をして身支度をしていた。

俺は体を起こし、すぐさま冷蔵庫を開け食料を探していた。

「そー言えば、あんたが二度寝してる時パトカーがたくさん来てて大変だったんだから。

なんか殺人事件だったらしいよ。聞いたら、よく覗きとかがあったお家らしくてね。 あんたも戸締り気をつけなさいよ。」


おいおいおい、まてよ。

なんでこんなに冷静なんだ?

人が近所で殺されたんだぞ?


「おかぁ、、 事件の話聞いた時どう思った?」

俺は変な質問をしてしまった。

まるで自分が犯人で、犯行現場を見たのか?

と、脅しているようなものだ。

「それはびっくりするに決まってるでしょうが! びっくりしない人なんていないわよ。人間なら!」


それを聞いて俺はなぜだか安心した。

その後、母は玄関を出て仕事に向かった。


台所の窓から外を見ると、テレビなどでよく見る

黄色いテープが貼られていた。

それを見て、今日は外に出ないでおこうと決心して、窓を閉めた。


昼飯を食べ終えた俺は、

オンラインゲームをしながら時間を過ごした。

時計はいつのまにか20時を過ぎていて、外には月が登っていた。

タバコが吸いたくなったので、ベランダに出た。

その瞬間、久々の立ちくらみにあった。

以前は少し貧血気味で頻繁にあったのだが

最近は調子が良かったので、すごく懐かしい

感じだった。

タバコを吸い終えた後、少し眠くなったので

軽く仮眠をとることにした。


今日は二度寝したから、あまり眠れないかなと

思いつつ、布団に入ると急激に睡魔が襲った。

瞼が重く、暗くなった視界が飛び出たり引っ込んだりしていて、何故だか少し楽しい気分になった。

「もしかして、異世界にいけたりして!!」

と考えてるうちにすっかり眠ってしまった。


どのくらいだったのだろう。急に意識が戻り

目を開けた。 壁掛けの時計に視線を移すと

一時間しかたっていなかった。

とても喉が渇いたので、起き上がろうとした。

身体が動かない。声も出ない。

「 金縛りか!?」

すると玄関が開く音がした。

母が帰って来たのだ。

どうにかしようと、全力で母を呼ぶが声が出ない。すると、身体が押しつぶされるような感覚に陥った。また、周りから霧のようものまで出現した。

この感覚はとてもキツイ。尋常じゃない程に。

だが何故だ?ワクワクしている。

もしかして異世界にでもいけるのではないか?

「すまない母さん。20歳のいい大人がこんな事言いたくないけど、、、 少しハーレムしてきます!!」

そう心で呟いた矢先、霧ががかった白い風景が

赤色に変わった。そして体も動くようになった。


すこしガッカリしたが

体力は寝ているだけなのに相当けずってしまった。

だが、視界は赤色のままだ。

赤以外何も見えない。

自分の腕さえ見えず、体の感覚だけがある。

とりあえず歩いて見ることにした。

何というか怖いというより楽しかった。

それは確実に現実世界ではないと確信していたからだ。

だが異世界では無いと感じる。

もしかすると夢かもしれない。

さっきの金縛りも含め今現在夢を見ている。

そうなると、明晰夢に違いない!

でも何かがおかしい。頭の中で 想像したものが出てこない。近未来の様な街並み。絶世の美女。

お菓子。ゲーム機。どんぐり。


とりあえず何も出てこない。

赤色のままだった。

よく掲示板などで目にする

「想像した世界が出てきて、やりたい放題」


と書かれているが、あれは嘘だったのか。

ふざけてやがる。起きたら絶対に通報してやる。


そう独り言を呟きながら延々と歩いていた。




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