はじまり。
咲いた花はいつかは枯れる。
わかっていても、手折らずにはいられなかった。
Dear my sweet sister Nanami. My lovers.
「あ、新芽。」
「ん、どこ?」
「ほら、梨華姉の目の前。」
「おー、こんなとこにいたのか。」
「もう、梨華姉ったら。」
隣にいる虹海が笑う。
「見えねーもんは見えねーよ、その代わり。」
サラッと、虹海の髪を手で梳く。
「ここにあるものだったら、簡単に見えるのにな。」
虹海が驚いたようにこっちを向く。
「り、梨華姉。ここ街中……」
「いやいや、別にえっちぃことしてるわけじゃないし大丈夫でしょ。」
「でも………恥ずかしいよぉ……」
モジモジする虹海がかわいすぎる。も、持って帰りたい………
「………なんならもっと恥ずかしいことする?」
虹海がビクッとして、恐る恐るこっちを見る。
「え、えっちな、こと?」
「え、そっちがいいの?」
思わず虹海のセーラー服のスカーフに手をかける。……あれ、虹海が抵抗しない……?それどころか、その手をスッと引いていく。
「だぁぁぁ、冗談、冗談だからっ!!!」
「え。」
虹海の手が止まる。惜し………じゃなかった、危なかった。
「………ったく、いきなり脱ぎ始めんなよ………」
「………梨華姉が、やらせたくせに」」
「脱ぎ始めたのは、お前だろ。」
「……帰ったら、つづき、する?」
思わず吹き出す。虹海が、してやったりという顔で笑う。
「………冗談。」
「こいつ…………あのこと言いふらしてやろうか?」
「?」
「今日の虹海の下着はピン」
「だぁぁぁぁ!?」
「ふっふっふっ、これでおあいこだ。」
「いやこれ私が負けてません!?」
夕暮れの影が、2人に落ちていた。