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虚無の海にて虚空を感ず
私は今、虚無の海にいる。
『喜』『怒』『哀』『楽』全ての感情を超越し、今、虚無の海に浮かんでいる。
何を見ても何も感じず、ただ漠然とした虚空を眺めるだけ。
心が無。こんなに虚しい事はない。
だが、私には今、無しかないのだ。
同じく虚無の海にて虚空を見つめる者よ、応えておくれ。
この虚しき世界において我は何を感ずれば良いのか。何を想えば良いのか。
私は無。無に対なる者達よ、我を虚無の海より引きずり上げておくれ。もう虚空を見ていたくはないのだ。
私は無。無は私。
あぁどうすれば……。