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セヴァと人魚の物語  作者: 添木かもめ
1章 -現代-

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10/17

10. キーの使用方法

食事を終え、スーカは母とお風呂へ、リラはいろは宅のリビングで待つこととなった。

リビングには、セヴァの自室にあるように小さな水生生物が住む水槽が並べられている。

「この子達とおしゃべりしながら待ってるわ。行ってらっしゃい。」

本当にお喋り好きだな、と思うと同時に魚たちと会話ができるという事に驚く。

そして、もう今さら何が起きたとしてもいちいち驚かないようにしようと決めたセヴァであった。


研究室棟へ戻ってきたセヴァといろはは2人で廊下を歩いていた。

水生生物を扱うエリアに入り、何番目かのドアの前で立ち止まる。

いろはが右腕にはめた細身のバングルを見せる。

バングルにはめてある石は綺麗な透明の石だった。

「この石を、認証カメラにかざすと部屋の鍵が開く。

やってみて。」

「うん」

セヴァのバングルについている青い透明の石を、カメラにかざすとピーッカシャッと音が鳴り扉が解錠された。


ーーえ?これだけ?使い方って言うくらいだから特別な使い方があるのかと思った。

「え?これだけ?って顔してるね(笑)」

「まあね、普通だった(笑)」

「とにかく、大切な鍵だから。

ちゃんと持ち歩いてね。さあ、入ろう。」

室内は体育館のコート一面分程の広さがあり、美しい緑が広がっている。

清潔な水が絶え間なく循環しているようで、水の溜る音が心地よい。


「僕初めて入ったよ。すごくきれいだ。」

「美しいよね。温室も好きだけど、ここも好きな場所なんだ。飼育用の水草はこっちだよ。」

いろはに連れられ、奥へ進んでいく。

「セヴァはこれから、そのキーを使って自由に出入りして良いことになってる。

リラをここへ連れてきた時のご飯はここから持っていくと良いよ」

「ありがとう。なんだか夢みたいだ。

リラと出会ってまだ2日しか経っていないのに、いろんなことがありすぎて、頭が追いつかないや。」

「まるでセヴァとリラが出会うために用意されたような世界だね。」

いろはが微笑む。


「まさか。リラは王子様を探しに陸まで来たんだよ。

まあ……あの王子様を気に入るかは別の話だけどね」

「言えてる。環境破壊の親玉みたいな人たちだもんなぁ。

リラはショックを受けるかもしれないね。」

「それにしても、僕なんかが国王と簡単に会えるわけないのに。

どうしたらいいんだろう。

会うだけでも現実味がないのに、さらに人魚と会ってくださいなんて、言えると思う?

ここの人たちはリラのことを普通に受け入れてくれるけどさ。

気が狂ったと思われて、捕まっちゃうかもしれない!」

「この国の王様は人魚は絶対に信じない人間だよね。

信じてたらミサイルをポンポン海外に売ったりしないさ。

捕まったりもしないから大丈夫。

まぁ、まだ陸に来て間もないんだし、ゆっくり考えていけばいいよ。

僕も手伝うしさ!」

「ありがとう。

僕一人だったらどうしたらいいか分からなかったよ。」


いろははとても頼りになる友人だ。

そして、小さい頃からお互いに助け合ってきた兄弟みたいな存在でもある。

血の繋がりは関係ないと、いろはと一緒にいるといつもそう感じていた。


無意識にずっと張り詰めていたらしい。

いろはの言葉に胸の奥の紐がほろっとほどけるような心地よさを感じた。

明日の朝の分までの水草を取り分け部屋に戻ることにした。




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