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鈴木太郎シリーズ

鈴木太郎の日常

作者: ボマー
掲載日:2025/10/12

サイコな女の子を書きたかったのです。

俺の名前は鈴木太郎。

どこにでもいる平凡な中学二年生。

成績も顔も体も、全てが普通。

ただし、声だけは違う。

練れた太い声で、周りからはイケボだと言われる。

いや、家庭環境も特殊だろう。だが今回、それについて話す気はない。


今は朝のホームルーム前。ゾロゾロと生徒が教室に入ってくる。

物語の始めのため、こんな自己紹介をした。

まあ今日も。特別なことは何も起きない、平凡な日常が始ま―――


「おはよう。タロー君」

隣の席に腰掛けながら、女子生徒が話しかけてきた。

こいつは黒石(しずく)

顔は普通。痩せていて身長が180cmもある変な奴。

別にこいつは友達でも恋人でも幼馴染でもない。

ただの隣の席の女子生徒ってだけ。


しかし。

こいつはちょっと他の人と違うところがある。

それは―――

「昨日ね。駒田先生の浮気現場見てさ。写真撮っちゃったんだよね。放課後、奥さんに送ろうと思う」

これだ。

「やめとけ。家庭崩壊するって」

「分かんないよ?喧嘩だけで終わるかもしんないじゃん。それは駒田先生と奥さん次第だよ」

こてんと小首を傾げる隣の悪女。

それにつられ、三つ編みのおさげが揺れた。

黒石は、『人の幸せを壊すこと』が大好きだ。


「黒石は何でいつも、そんなことするんだ?」

「目の前にある幸せに気づかせてあげてるんだよ。今が幸せなのに気づかず気づこうともせず、それどころか蔑ろにしてる愚かな人々にね」

マジでサイコだな。

「ほんとやべーよ」

「そうかな?」

そこで始業のチャイムが鳴った。



一時間目は数学。

あはは。1次関数ぅ?なぁんですか、それ。

俺の脳細胞、破壊しに来ないでくれます?

二時間目は理科。

よりにもよって超苦手な人体。

覚えること多すぎんだろ。クソッ!

三時間目は国語。

これは・・・・・・特に何も無かった。

四時間目は体育。

いや、スポーツは苦手なんですけど。

バスケで相手の陽キャチームにボッコボコにされた。



昼休み。

好きなラノベを読んでいると。

「またエッチな本読んでる」

黒石が話しかけてきた。

頬づちをうちながら、こっちに顔を向けていた。

「エッチな本じゃねーし!ただのラノベだし!」

変な勘違いされて頭に来た。

「ふーん。ラノベか」

「文句あるかよ」

つまらなそうな態度がさらに腹立つ。

「これくらいの年の男子なら。いつでもどこでも、エッチな本読んでるかと思ってたんだけどな」

「黒石の中の男子って野生動物か何かなの?」

「それに準じた人間、だよ」

「もうちょっと知的にしてくれよ」

「それは君次第かなー」

そんなこんなで昼休みは終わった。



五時間目は地理。

食事の後だから、うつらうつらとして―――

「ほらぁ。起きろー。今は授業中だぞー」

おじさん教師・郡谷(こおりたに)に起こされた。

六時間目は美術。

今取り掛かっているのは静物画。

光と影を表現って。無理難題だよ、俺にとっちゃ。

そんな感じで、一日はあっという間に過ぎた。



放課後。陰キャな俺はもちろん帰宅部である。

ポツンと一人で帰り道を歩いている。

その時。

ある一軒家の前に人影を見つけた。

うちの中学のセーラー服を着ている。

バカデカいから、すぐに誰か分かった。

「黒石・・・・・・」

「あ。タロー君。奇遇だね」

俺の呟きも聞き取ったようだ。地獄耳だな。

「そこ、黒石の家じゃないだろ」

「うん」

そんな聞き方をしたが、俺は黒石の家を知らない。

でも朝のことを思い出して――もしかしたらと思って聞いた。

「まさか駒田先生の家?」

「うん。今ポストに写真入れたとこ」

平然と己の悪事を告白できる度胸に驚いた。

「マジでやったのかよ」

「うん」

元気に頷くから、驚きを超えて呆れてくる。

「じゃあ、バイバイ。また明日」

そう言って、足早に黒石は去っていった。

「え?おい待・・・・・・」

止めようとして、やめる。


俺が止めたところで何の意味があるんだ?

浮気したのは駒田先生だ。

二人の仲が壊れようと、そんなの駒田先生の自業自得じゃないか。

俺がとめることはない。

俺はその場から去っていった。

可能性は低いですが、続編が出るかもしれません。

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