小鬼との出会い
『沙月は思わず悲鳴を上げながら、叫んだ』
お父さんが思わず部屋に入ってきた
「沙月、大丈夫か?」とvrを外され「こんなの私の好きな本じゃない」と言い、
沙月はそれから何も手につかなかった
お父さんが、VRの会社にクレームを入れると言ったが沙月は自分でやると憤る
サイトに直接書き込まないと、この思いが伝わらないと思うから
落ち着いたのは、寝てから一日経った頃だった
私は、さっそくホームページを開きコメントをした
《私の知っている小説と内容が変わっています
これでは、作品自体が別物になってししまいます。紙の本を読んだことがない人は
「鼓動」の作品を知らずにデジタル本を買っています
こんなひどいことはありません
鼓動のあらすじは長くなるのでまた、書きます》
と予告し、サイトを閉じた
本当は、あらすじを書きたかったがVRのせいで脳を使いすぎてしまったらしく
片頭痛がするのだ
昼寝をして、少し頭痛が引いてきたので、体が起きる準備を伸びをしながら待つ。
好きな小説の世界に行けるなんて……楽しみにしていたのに。
思い出しながら、キーボードを打つ音に力が入る
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鼓動 「心臓の血液送り出すために規則的に収縮・拡大する事、またのその音」
その意味しか存在しない世界に住む、僕はある日一冊の本と出会った
その日から、もう一つの意味
「気持ちや物などが動くこと、また震わしし動かすこと」と言う言葉の意味を
どうしても、知りたくなったんだ
それが、感じたことのない感情を知ることになる始まりだということに、
僕は、まだ、気づいててもいなかったんだ
僕の世界はXXXX年では、「同じこそ、争いを生まない鍵だと」
偉い人が考えたらしい
いつからかは分からないが、全ての顔は、男性であっても女性であっても
みんな、同じ顔をしている
食事も、本も、趣味もカリキュラムのように決まっており、
一つの事を続けることができない。
読書の時間では、みんなおんなじ本をもって席に着く
全てにおいて同じであることが当たり前で、誰も疑問になんて思わない
僕だってあの日まではそうだった
主人公はある日、本(辞書)を拾うことで、言葉の意味を知りたくて
色々、経験しようとする
同じ顔しかいないはずの世界で、主人公の顔と友達の健だけが変わって、政府に捕まる
家探しされるが、兄が持ち出しており家族が捕まっている中
隠れていた主人公と会う
顔が変わってしまった兄弟と健は旅に出る
その中に、突然本が開き、扉が出てきて、異世界へ行く
そこには、顔が一人一人違う世界で驚いたが、
主人公は、小説家 になりたくて、兄はものをつくりたいと思い生活していく
その世界で書き上げた本(辞書)のタイトルは「鼓動」であった
始まりに拾った本は、自分の書いた本だったのだ
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と打ち込み終わると、疲れたのか。
ついに幻覚をみだしたのか私は、クマのぬいぐるみのリュックをしょってるショタ(幼児)の背中が見える。
振り向くと何と、一本角があるのだ 所謂、白髪の子鬼の姿なのだ
「まさか、私病気になっちゃったの?」
VRの機械をぺっちぺっちとはたき、口をパクパクしながらどうやら、急いでいるようだ
機械にジャンプしてはいってった小鬼を追いかけようと沙月はゴーグルをかけて
ベッドのふちに寄りかかるように体を預けた
なにも、ログインしてないvrの中はテレビの砂嵐のようになっていた
小鬼は、本を落としながら、どうしょう急がないと
あいつらが来ちゃうとこっちらを振り返ると
「さつき、みつかちゃうみつかちゃう」と言った
声を出しているところを見て驚いていると、自分の名前を知っている事に得体のしれない気持ち悪さを感じたが、とにかく見た目がかわいいのだ
思わず、口元を緩ませながら
「どうして、私の名前知ってるの? 小鬼ちゃん、かわいいリュック持ってるね」とパニックにさせないように問いかけると
「かわいいいじゃないの、このくまさんはかっこいいの」とほっぺを膨らませている
やっぱりかわいいな~と思いながら答えを待っていると
「あぁ、もうこっちに来て」と手を引っ張られながら、こけそうになりながらついっていくとどうやら、データーとデーターの狭間に来たらしい
「これで、少しは時間稼ぎできるから」とぜぇぜぇしながら言う小鬼ちゃん
「小鬼ちゃんじゃなくて、小鬼君だから。あと、藤っていう名前があるんだから
沙月より、年上なんだからね」
年上と言う言葉で、ハテナで埋め尽くされていると、
「藤、たぶん100さいなんだから、100以上は数えらないから本当はどれくらいか分からないけど、
とにかく年上なの!」
指を折りながら考えている小鬼、(藤)はクリームパンのような手をしている
見た目は、推定5歳くらいだろうか
沙月は、「これ、落としてたよ」というと藤が落とした本を返した。
藤は急いでくまちゃんの中にしまうと、
「ほら、クモがくる」というとまるでタランチュラのような巨大な蜘蛛が出現したのだ
「えぇい、研修してないけど、ぶっつけ本番、沙月変身して」どこかの女児アニメで言われそうなセリフと共に本から、これまた女児アニメに出てきそうな、ブルーのハートのステッキを取り出す小鬼ちゃんもとい、藤はもう一度、「変身して」と言ったのだった
ステッキを握らされると、勝手に「変身モードに入ります」と藤の声がして
服がみるみると、ブルーのフリフリに変わっていく
「いや、私の年齢でこれはさすがに……」と言いながら、実はフリフリの服が意外と好きなので内心嬉しく思っていると、
「変身完了したよ、決めセリフを言ってほしいとけど、今は無理だよね
藤を抱っこして、とにかく逃げて!」
「戦わないの?」と思わず言うと、
「研修も受けてないのに怪我しちゃうからダメ 、とにかく逃げるの!」
沙月は、とにかく藤を抱っこしながら、藤が言う方角に走り続けた
クリーム色のフリフリの魔法服を着ている、茶髪の背の高い魔法少女を見つけた