巻き戻しの時間
私は、なんだかわからない空間にいるキューブが宙に浮き、触るとすべてのキューブが共鳴してるかのように動く——私のそばにいるのは藤と敵の男で……
さっきまで戦っていったのが嘘みたいだった。
思わず、戦いが止まる
——そうキューブに飲み込まれたのだった
こうなったのを巻き戻すと、くるくると逆回りに時計が回る
ただわかっているのは、逃げられない檻の中にいること……
*
*
*
時間が戻ると、私は安心できる時間に逃げてきたかのように見る——
藤が、朝ご飯を食べ終わり、にぎにぎと手を、動かしている
「これからどうするの?」と聞いてくる顔は、はてなが頭に浮かんでいるようだった
「ここにいるのもいいけど、初めてのことだから……」私は、一緒に困っている
樹がまだ、来てないのも心配で……ルリも帰ってきていない
「樹が帰ってくるまで待つことにする」
「そうした方がいいね」とボスは答える
そう、今目の前に黒い蝶がたとえ飛んでいても、気にしないでいようと思う
決して案内をしているように私の周りを、飛んでいても……だ
私が進むためには、一人では無理だ。私が動くことで誰かが傷つくのは間違っていると思うから……
そう思っていたのに、気になるように目が追う
「沙月どうしたの?黒い蝶が今見えてるんだね」と心の中を当たり前のように読む神であるボス。
「どうすればいいのかわからない」と素直に声を出せば、
「沙月は、樹を待ちたいんだよね。さっき樹がログインしたのを確認したよ」
安心が身を包むかのように呼吸が、楽になるのを感じる
「さつき、樹が来たよ~」といつの間にか藤と一緒にいる樹
「俺が必ず、何とかするから……」と急に抱きしめられる
「うん……」その言葉だけで、何とかなる気がしたんだ
黒い蝶が、樹の方にヒラヒラとまる
波紋が浮かぶように、一瞬時が止まったような気がした——
それでも答えるために手を回す。
ぎゅっと音が鳴りそうな心地の良さに心が癒されてくのを感じていると離れていくのを名残惜しく感じる
ルリが来ると、
「セクハラですよ、樹」ルリが肩に手を置く
「セクハラか?友愛だ……友達のほうだロリコンじゃ……ない」と思い切り振り向く
そばから離れる樹に、少し物足りなさを感じながらいると
「冗談ですよ、そんなに焦らなくてもいいのに」と笑いながら言う
いつものように、樹をからかっているようで、肩の力が抜けたような顔している樹と
いつも通りにいようとしてくれる二人の気持ちが伝わってくる
そして、二人ともこちらを見ると、覚悟を決めたように私を見つめてくる
「絶対に、俺たちが守るから……」
そんな安心した記憶から、私を引き離すかのようにまた場面が切り替わる。
黒い蝶が案内するかのように進む




