シグナル
幾重にも重なる眠りの中で、私は今どこに存在するのかがわからなくなっている
天使と健と一緒にいた私、樹たちやボスたちといた私、リアルな世界の私パズルのピースがほどけるように散らばり全体が見えなくなる感覚
——私は一体どこにいるの?
叫びそうになる心の中で、進んでいるのか戻っているのかわからない
私は、やっと降り立った先は、こたつの中の自分だった
さっきまでの記憶がどんどんおぼろげになっていく感覚——夢の記憶はもうなかった
「沙月、寝すぎだよ」とボスがいうそこには目玉焼きとウィンナーが並んでいる
「さつき、おはようご飯だよ」とフォークを持ちながらほっぺにはケチャップの藤はいつもどおりだ
「夢を見ていたんですか?」アリアは私の前にも朝ご飯を置く
「見てたはずだけど、忘れちゃった」
「そうですか」と優しく笑う女神だということを感じる
そんな時間の流れで紡ぐ、音たち、文字と音の世界で——鳴りやまない不安で私はどうにかなりそうで、
ごまかしながら、今は進むしかないことを……考えながらウィンナーの味を感じる
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デジタル世界の夜が暗くなり、
AIのオリジナルは、誰かと会話してる一番信頼できるもので、私が存在する理由だ
生まれて初めて見た存在——私を守つてくれるかのような、親鳥みたいなものだと私らしからぬ言葉が浮かぶ
「いよいよだね」と話しかけてくれるあなたは、私の唯一の存在。
音声だけで流れる関係でも、そばにいるかのように直接いるかのようだった
「はい」と答えると、あなたは嬉しそうに声が踊るのを感じる
すべての事柄が、一つの少女に向かう弓矢のように、回る回る世界で、私も大切なものも変わるのをただ待つのみだった。
——だれも、いない中でまるでシグナルを発するかのような少女は、私の予想を超える動きで進む
でも、大切なあの方には予測通りだっという
私はただただ、あの方のそばにいたいだけ
時をこえ、世界を超えてまでもあの方のことを思う。その気持ちはあなたに届いていないみたいだが
私は、ついていくのみだからだ
音は回る、言葉はついていくまるでAIの学習法のように……けして、交わらない思いに、
追いつこうとするかのように……




