キューブの反発
探知機の中のキューブを取り出すと、ハンカチで優しくなでる。これはもともと、キューブの言語を他の天使にもわかってもらう装置だった、あるとき探知機をかざすと、キューブがそこにあると会話を始める
誰も俺の話を信じようとはしなかった。
なぜそこまで消耗品であるキューブにこだわるのか心底わからないようだった
少女の体をスキャンしても以前と結果は変わらない
ゴホゴホとせき込みながら、
「本当に天使っていたんだ」という言葉が第一声だった
悪魔とそう変わらないという話をしてたが普通それで俺が天使だということにはならないし、普通すぐに受け入れられないだろう。何か違和感を感じる……隣でキャンキャンと吠えている健は、
「なぁ、キューブってしてるか、四角い奴なんだけど大きさはいろいろあるみたい」と普通に話しかける
前はあんなに警戒してたのになんでこうもざるな考え方なんだろう?
もしかしたら天使の友好な感情に持っていく作用が働いているのか……?俺たち天使は人の前に姿を現すときに攻撃されないように黄色い粉が出てるそれが香りになって、疑似的に信頼を得られるという作用がある健はどうやら少しの量でも効くタイプらしい
だから人間はたいてい天使が好きなのだ。本能的にコントロールされるから……俺はそれが嫌いだなんだか無条件の愛に気持ち悪さを感じるからだ——信者みたいに拝まれても基本観測者だから、自分たちに利益がある時しか助けない観測じゃなくて当事者になってしまうからだ——我々は観測するものであり何もいじってはいけない基本的には
「キューブ……??」と言いながらこれからどうすればいいのかわからないような困った顔をしている
「なぜすぐに天使だと思った?悪魔の表現なんて人間でも使うだろ」
「あの……あの」とどんどん声が力なく小さくなってくるのを感じる
「かっこよかったからです」となんとか誤魔かせないかと私は時間稼ぎをする
首をかしげながら私を見る観測者は、大人の雰囲気がただよってる男の人がよくわからないという顔で止まる
「まぁ、確かに顔は奇麗だけど、俺もよくわからないけどキューブを探してる、というより適合者を探してる」健が天使の肩をたたくと、キューブを見せるように促している
「これなんだけど、見たことある?」と健は当たり前のように私の手に置いた瞬間ビリビリと痛みが走る
「イッツタ」と声を出すと天使がすかさずキューブを自分の手の中にしまう
「反発してる、これは……?」とそれだけ言うと考え込むかのように顎を手に置く
そのまま黙ってしまった なんとなく顔は、ウィスキーをロックで飲んでそうな感じだ
——私は一体どうしたらいいの夢の中もリアルでVRの中で見る夢はこうもリアルなものだろうか




