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適合者

 

 まだ私は夢を見ているようだ、だってありえないことが今、私に起こっているからだ

繭のようにゆらゆらと白い光の糸がなびている


いつの間にか私の全身は繭のようにくるまれ宙を動いている。なぜか私は繭の外から見ているような感じで行く先が見えるみたいだ

ゆらゆらと宙をまっていると、そこにはありえない人物が立っていたのだそれは観測者だと呼ばれている

天使がいた。


その点を見つけたらあとを追うかのように近づいてくる頭上の光が消えたと思ったら、真っ逆さまに落ちていた


「なぁ、何か宙に浮かんでるぞ」と天使の服を引っ張って指をさす健に、近づこうとする


無言で首根っこをつかむと自分の位置と同じところに戻す

それでも健は止まることなく近くに行く。

落ちている私は、ここはどこでなぜ健たちがいるのか小説ではこんなこと書かれてなかったし、まず私が認識できているのがわからない

受け止める準備ができたように、手を広げる天使

「お前は勝手に触るな俺も見たことがないことだからだ」

キューブの光の糸を追っていったらここにたどり着いた健もつかれているからか口数が少なかったが今はそれを忘れているかのように大きな声で話しかけてくる


探知レーザでスキャンしてみると人間だ……少女が入っていた


——種族人間、生体反応ありと機械が答える


「人間が何でこんなことになってるんだ……キューブの何かと関係があるのか?」

「もしかしたら、適合者かもしれない」健は早く正体を知りたがっているようだそれを制しながら

俺は思い切って、その繭割くはらはらと綿あめのように落ちる白い繭をどかすとそこには少女がいた

制服姿で、まだ幼げな顔をしている


キューブの適合者かと探知機でスキャンするが、エラーと表示されるもう一度やっても結果は同じだった

「エラーってことは、わからないってことか」と健も先ほどの様子が打って変わって難しそうな顔をしている

探知機のボディの中にはキューブが入っているがキューブ同士なら反応するはずだ


「キューブの適合者なら、確実に検知できるように作ったのになぜだ……」


キューブとキューブが共鳴しあい、止まっている世界で、一体どこから来たのか疑問が残る


これは安全なのか囮なのか、よくわからないが少女がこちらを見開く目は……確かに俺たちを見つめていた

声を出そうとしても何故か声が出ないことに驚いている少女は、口をパクパクさせている

(ここはどこ?なんでここにいるの?)と伝えたくて

「おい?」と言いながらなぜか天使は、自分のポケットに手を入れると奇麗な透明な瓶に青色の液体が入っていた何も言わずに、鼻を摘まれて口を開けた瞬間に、ゼリーのような甘い香りが漂う


「急に何をするんですか?」と思わずせき込みながらいると


「これで話せるようになっただろう、たまに人に奇跡を見せて観察しやすいようにしているんだだから俺たち有利になる人しか治療はしない悪魔と大差はないっていうことだ」


のどがまだ電気が入ったかのように刺激している

(どうしたらいいんだろう?あなたは小説の中の人です、なんて言えないしどう動けばいいかわからない……)

「本当に天使っていたんだ」と私が出したその声だけがポツリとただ響く、鴉の世界が融合を起こしているのだろうか

——何が本当の世界なのか目の回るようなコーヒーカップのようだった

「普通に渡せばいいのに……雑だ」という健に

「これが普通だろう」と悪びれもなく真剣な顔をしてこちらを見てくる



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