甘い夢と苦い現実
私はまず、頭の中を整理してみることにした。
(VRの中から出られないのは、感情指数が上回った衝撃のせいでエラーになったのではないか本来VRの世界で本気で死ぬかもという状態になるのが珍しいのなら、もう一度恐怖の対象に近づけば戻れるのではないかとショック療法??みたいな感じで……)
「バカな、考えはやめなよ。ただでさえよくわからない状態でこうなっててもしかしたら次は本当に死んでしまうかもしれないよ」とフーフーと息を吹かせながら覚ましているココアを持つボスは相変わらずかわいい
「でも、そうしたらもしかしたら……早く修繕できるかも、そしたら元の世界に戻れるかもしれない……」
「紅はそんなに甘い相手じゃないよ……たまたま見逃してくれたけれど次はないと思った方がいいよ
敵は、キューブを守るためなら容赦はしないだろう」と難しい顔をしてくる幼児の姿のボスに息をのむ
「特に相手の出方がわからないてきのあいつも何を考えているのか全く読めないが樹のそばにルリと一緒にいたこともある使い魔が付いたのなら以前より強くなっているはずだ。ルリもそのことを調べに行ったんだよ」とつまらなさそうにココアを息で波を作っている
紅との戦いを心配しているのかしてないのかいまいちわからない様子だった
「沙月さん、ボスはこう見えても心配しているんですよ」と暖かいそよ風のような声で言う
「そもそも、魔法使い自体が少なすぎなきがして、樹と私だけなんて……樹は戦いもうまいとはいえ少なすぎて、前に樹が適合者が少ないしほとんどの人が断るにしても——少なすぎ……ですよね」とボスの目を見ると何かを覚悟したように問う
「沙月は甘い夢と苦い現実どっちを選ぶ?」と目を見返してくるボスに、
「甘い夢よりも誰かの助けになる苦い現実……私だけ知らないでいるのはもう嫌だ……置いてかれるのは嫌です」と答える私に手を重ねて小さい手で握ると
「僕の目を見て?」というボスの目をのぞくとそこには泉があった
今までの、断って逃げたものが後々紅につかまり、養分にされていることを紅く、胸から咲く赤いバラがならんでいる
そもそも、ボスたちが察知する前に九割は、捕まっているそもそも会うこともできないようで実は紅の組織のほうが優勢で今も改ざんされた作品からエネルギを取り、着実に強くなっている。
それを知っても沙月は僕たちと一緒に入れる?壊れないで入れる?
紅いバラに変わるとき、それは紅の動力源・エネルギーに変わること僕たちはほとんど負けているんだよ
それにもともと、守る力と攻撃の力どっちが有利か分かるよね……?
それでも、沙月は耐えられる?
紅いバラに触れると「ここから出して~、助け……て、助けてよ」と色とりどりの悲鳴が聞こえる
私は思わず、わっと体を離すなぜなら、声が一つではなく複数だったから……
「そもそも、修繕しないといけないのは、繫がっている集合意識として、つまるところサーバーのように幾重も絡まっている。このバラのもとを断ち切らなきゃいけないそれが物語を修繕すること本来の目的なんだ」
どうしてこんなことを言うのだろうと自分で聞いて置きながら心細くなるのは身勝手だが、樹やルリがそばにいるときに話を聞きたかった……藤はあまりよくわかっていないような顔でそばにいることは容易に想像できる
ボスの泉の中で、「眠れ~眠れ夜明けが来ない永遠の眠りが解けるまで~」と少女の歌声だけが響くように聞こえた気がした——




