計画実行へ
いつもと、変わらない朝を迎えて、代わり映えのしない授業を受けて
ようやく、計画実行する放課後が来たのだ
放課後、生徒のみんながいなくなるまで、あまり人が来ない旧校舎の通路に一番近い1階の古いトイレで独特の匂いに包まれながらまつ
ロボットの先生たちは保健室の隣の部屋で充電するベッドで16:30に充電する。
先生たちが充電機に戻る時間は決まっている 一秒も間違えず、戻るらしい
健が忘れ物を一度取りに帰った時に、みんな休眠状態だったのを見たようだ
16:35分
僕たち二人は、旧校舎に向かって走り出した
帰りは、旧校舎の後ろのフェンスが壊れているのを健が忘れものを取りに行ったときに出入りしたことを教えてくれた。そこから、そっと帰るつもりだ
旧校舎内 光が入りやすい部屋を選んだ ギィギィときしむドアを開けて
光があたるホコリがキラキラしてるのを横目に、歩くと喉がイガイガする
床のほこりを手で払いながら、机を背にして、座る
「これで、ゆっくり読めるな」といいながらノートを取り出す健
どうやら、ノートに気に入った言葉を書き写すらしい
「全部は書き写さないぞ、気になったものだけ移すんだ。大変だからな」と言いながらペンを回す 僕も真似して、ノートとペンを出すと、直にマークをするのは躊躇したからだ
僕も気になる言葉や、使い方を表現してみたり、僕たちの知らない言葉を探す
ゲームもしたりした
あっという間に17:30になったのに気づいた僕は
「もう、帰らないとみんな帰って来ちゃうよ」健に言うと
「帰ろう!」と急いで鞄に荷物を入れると誰かに見つかるとやばいからと丁度ノートが入るくらいの缶を健は持ってきていた僕と健のノートを入れて保存していく事にした
旧校舎の草が生えた土の中に隠した
本物の辞書は、僕はなぜか埋めて隠すことが出来なくて、危険だけど家に持っち帰ってずっと鞄の中にしまっていた
誰もいないことを確認しながら裏口からそっと抜け出す。フェンスを通るとき泥棒草や色々と植物にぶつかりながら通った
家の近くで、健と別れて
急いで家に帰ったら、間に合ったのでよかった。バレないように泥棒草や土を払い落とすのが大変だったけど、小学生の頃に戻ったような無邪気に遊んだ後の
しっかりと疲れているけど、でも脳がワクワクして気持ちのいい疲れが襲ってきているのを感じながらいると、今日は、気持ちよく寝れそうだと思っていると
丁度、家族が帰ってきたみたいだ
*
*
*
毎週金曜日は、健と旧校舎で集まることにした
そんな生活を、三ヶ月続けていると、自分の顔に違和感を感じるようになってきた
顔をそっと、撫でるように触ると、みんなとどこか違うような気がして、
そんなことは、ありえないのだけれど、言いようがない不安に襲われた
「気のせいだと思うけど」自分を安心させるように呟いた
朝起きて、健と話していると少し、健の鼻が高くなっている気がする
(気のせい、気のせい・・・)と自分に言い聞かせながら、健の話を生返事で返しても、健自体は全く気にするそぶりをみせない
僕の頭の中では違和感の原因を探し出そうと、けたたましく動いているのが分かる
ロボットでいうとエラーが出ている状況だと思う
学校の校門を通ると、先生が立っている
いつもと変わらない、風景なのにどこか違って見えるのはなぜなのだろう
僕は、どうして人と、違うものを持ってはいけないのか その理由を本当の意味では知らなかったんだ
それに気づくのは、もう少し後の事だった
僕よりも、健の顔のほうがみるみる変わっていった、目鼻立ちははっきりして目の色も黒色から茶色にかわった髪の毛の色も変わりそれは奇病だと言われ、
ある日、軍服のような服を着たロボットたちが健の家を訪ねていき、健は奇病に罹っていると言われ連れてかれてしまった
健に話しかけようとしたら、目をそらされてしまった
それを、ショックに思った僕は何も言えなくなってしまった。
家に帰り、トイレに鞄を置くと鞄に無意味に八つ当たりをして、鞄を蹴ってをいた
それから、僕はとにかく、見つからないように隠そうと食品保存用袋を何重にもして入れとりあえず、トイレの蓋の中にしまった食品保存用袋を大量に持ってトイレに行くところを監視カメラに移っているかもしれないが、あんなに用心深く隠していた自分を裏切るかのようにやけくそになっていた
(子供の頃にミステリー小説の中に書かれていた隠し場所を真似して隠した)
泣きながら、ガタガタ震えているのを気づかれないようにやっとの思いで部屋に戻ると
(健があぁ、なったのは僕のせいだ それなのに自分の事しか考えてない
自分が憎い)
そんな自分に気持ちが悪くなり、腹の奥からタールがせり上がってくるような吐きけが襲ってきた
家族に心配されながら、話しかけられたけど、心が疲弊してしまって答えられない
僕を見て、母に今日は早く寝なさいと言われ眠くもないけど
泣きながら布団に入った
扉の向こうで兄が何かを考えながら、立っていた
朝、どれくらい泣いてたか分からないけれど、学校に行かないといけない時間になっても泣き続けた
母は、学校に休みの連絡をしてくれたらしい
部屋で僕も変わっていないか恐る恐る顔を触って、昨日そっと母のところから持ち出した手鏡で見ると、隈のひどい別人の顔をしている僕がいた
僕の顔も変わっていた。健と同じ、奇病に罹ったのだ
僕は思わずその場で、吐くと、酸っぱいにおいを感じながら嗚咽を吐くと
母が僕の部屋にはいてきてすぐ病院に連絡した
兄と父は心配していたが看病するのは一人で大丈夫だろうと仕事に来るよう
言われ、もう出かけた後だった
奇病の為なぜか、健を連れってった軍服のような服を着た奴らは平等警察のロボットがきが来た
聞き覚えの無い機関だが、こういう不測の事態になったときに国から派遣されるらしい
原因特定の為家を調べさせてもらうと家の中をひっくり返し始めた
トイレの中のふたを開けるような厳重な検査だったらしい。
「らしい」というのは、僕は病院でそのことを、電話で母から聞いたからだ
まるで、犯罪でも起こしたかのような対応だったらしい
原因不明の奇病なので家族とも面会ができなかった
家の中からは何も見つからなかったようだ
僕は不安になったが、こんな目に合っているのはあの辞書のせいだと
辞書のせいではないことを頭では理解しながらでも行き場のない怒りに
心の中で悪態をついた
本が無くなったのは、もうどうでもよかった
病院と言っても来る日も来る日も検査しかされない日々に飽き飽きしている
健の事思い出しては吐いている自分を見て医者たちは驚いている
健とどこかで会えないかと、探している自分
そして、毎日大量に出される薬に、もうなにに悩んでいたか分からなくなってしまう、車いすに乗りながら、よだれを垂らし、それでも、気がおかしくなりそうだと悲鳴を上げている侑斗の姿をもう誰も気にはしなかった 完
沙月は思わず悲鳴を上げながら、叫んだ。
プロローグ編~キャラクター紹介~
・侑斗…… ある日、辞書を拾い、様々な経験を健としていく
顔が変わる奇病にかかる健をみて、パニックになり、責任を感じている。自分も、奇病にかかる
・健…… 侑斗の友達で、親友だと思っている。
侑斗の秘密を聞いて、ワクワクしながらいた。奇病にかかる
・先生……担任の先生
・侑斗の兄…… 弟が奇病にかかり心配している
・沙月……??