現実世界の、樹と白いバラ
樹のスマホにルリからメールが入る
「沙月が、戻れなくなった……」と、連絡がありすぐに、沙月のうちに行くと電気もついておらずどうやら帰っていないようだった
沙月の居場所を、見つけるためにGPSを追おうとするが、電源が入ってないようだ
それもそうかと、もう何日もたっている……エラーが起きていることを脳が理解するのを拒んでいる
「ボスに、沙月の居場所、たぶん病院だと思う。探してくれと頼んでくれ」と
ルリに文字を打つ
どうにも、落ち着かず目がちかちかと、動悸がしてくる
情報屋に連絡を取るために、俺は、祈るような思いで連絡を取る
いつも相手からしか連絡がないことがよぎる
「会いたい」とだけ送る
文字では伝えきれない思いがあふれ出て、どこか深いところにおいてかれるような孤独感だった
落ち着かない体を、落ち着かさせようと腕をさする
*
*
*
沙月の居場所わかった櫻木総合病院のE-57号室
と簡単に、でもその文字は急いでいるようなルリの思いを感じるかのようだった
病院による忍び込むために、どうしようかと考えていると、違う方のスマホが鳴る……情報屋から連絡が来た
今日いつもの場所で、20時に、スマホに力を無意識に入れていたみたいできしむ音がする
急いでバイクに乗ると、早くいかなければ——俺が沙月を巻き込んだせいだ
こんな危険なこと一度もなかったのに、どうしてだ
*
*
*
いつもどおりに、喫茶店に入るがその意気は上がっているのは自分でもわかる
情報屋がはじめて俺に、同じ席に着くように言う
「きみの、大切な子の緊急事態なんだろう?俺に連絡してくるなんてよぽっどだと初めてマスク越しで見る男は、俺より身長が高く白い髪を一つ縛りにしている
マスクで隠れているが、整っている顔なのはわかる
「どうして俺に、姿を見せてくれるんだ」というと
「そろそろ次の段階に入ってもいいかなと思って」と男は言う
「そんなことより、彼女は個室にいる。面会謝絶で誰も入れない」というと
IDと白衣を渡される
「君にも同じものくらいは、作れると思うけどこっちのほうが速いからね」といつもより落ち着かせようとしているのか、穏やかな声で話している
「早く、いけ」というとスマホに地図が送られてくる
「裏口で、カギはそこに入っている……」と小さな声で言う
俺は急いで沙月に元に行こうとすると
リン、リンと鈴を、俺に向かって鳴らす
「なんだ?」というと
「おまじないみたいなものだよ」と笑う
「早くいかないと、面倒になことになるよ」というとマスクの横からコーラーを飲んでいる
「あぁ、ありがとう助かった。こんど埋め合わせするから」と走って出ていく俺にもう興味がなさげに目を外す
23時になるの待つと俺は、名前もしならない情報屋からもらった白衣とIDを使い中に入り、部屋を探す
そこには個室にいる沙月がいた
カーテンの中に入ると、白いバラが胸から生えてるのかぁ、信じらられない光景だった。
それ以外は顔色もよくただ気持ちよく眠っているかのようだった……
俺は吐きそうになる、胃液がせりあがってくるように
——俺は一体どうすればいいんだ?
沙月の手を握りながら思っていると頭が割れそうになるくらい痛い
「思い出し……ちゃんと」って聞こえた気がする……




