ベッドの行方とGPS
「おはようございます、ルルアに聞きました」と言うリアルの顔を見ると
「なにを?」と口の中が乾くのを感じながら俺は答える
「まだ隊長と一緒に同じベッドに寝てるなんて……うらや」と小声で言う
眼鏡の中に映る瞳はきつく光っている
「とにかくどうにかしますから、待って行ってくださいね」と眼鏡をあげながら部屋を出ていく
歯磨きをしているリオが洗面所がから、出てくる
「ベッドの事をリアルさん、どうにかしてくれるらしい」
「あぁ、そうか。俺はこのままでも別に構わないんだがな」
「おれは、構う!」
何だかさっきの様子と打って変わっていつもどおり?に戻ったみたいだった
「とにかく今日も会議があるが……」
「そんなときは優秀なルルアの出番ですね。グヘへなんと逃走防止リングを開発しましたと言いながら出して
「褒めてください、非人道的なものではなく逃亡した際のGPS機能と麻酔薬が搭載されています。なんて人道的な発明なんでしょう!」と頬ずりをすると
俺の右足にリングを付ける
それは人道的なのか……?と思っていると
「まぁ、これで一人になっても安心だな……あと、SOSボタンも搭載されたものも新しく作ってくれ」というとルルアは頷くとルンルンした足取りで部屋を出ていく
思ったより、人の出入りが激しい部屋だなと思っていると
「騒がしかったな今日は特に、みんな健に興味があるのだろう」
「俺は、静かにいたい……」
「もう、これは必要ないな」と静かに手錠を外され、こすれてできた赤みをさすりながら、重さが軽くなるのを感じる
「ルルアのところから自動ドアと、ベニーの部屋を移動してもらいました
これで、捕虜の部屋ができました……」とぜぇぜぇと肩で呼吸をしている
「これでいいですよね……隊長」と言いながら見る
「あぁ、」と少しリアルの勢いに押されているようだった
そのあと、ベニーの香りバラのにおいが香る部屋に移動し、思わずツンと鼻に触る
「ルルアから奪ってきた自動ドアをここに貼り付けます」折り畳み式の枠組みを壁にかけると、青い扉が出現した
「これで、中からも行き行きできます」と言いながら眼鏡をあげる顔は、無表情ならも生き生きとしている気がする顔をしていた
「リアルを褒めてもいいんですよ」というリアルにリオは頭を撫でながら、
「ありがとう」と言われたときのリアルの顔は恋する少女の顔をしていた
「あの、言いづらいんだけど香水の匂いがひどくって……」おずおずと手をあげる
「そうですやっぱり、そう思いますよね」というと空間洗濯スプレーをするとあっという間に空気が無臭になった
これいいなって思ってみていると、リアルが
「あげます。捕虜移動祝いです」と
言うところにリオは頭を抱えながらも、微笑ましそうな柔らかい表情でこちらを見てくる
——こんな日がいびつながらもずっと続くんだと思っていたんだ。そんな日々に、不快感がなくなるころ、あんなの事が起こるなんて思ってもいなかった
また一人ぼっちになってしまうのだろうか、こんな異世界の中で俺はどうしたらいい……——




