眼鏡の少女
沙月は樹からもらった水を飲むために、原稿を濡らさないように机に原稿を置いて飲む
乾いていたのどを潤すと、樹にコップを返し読み進めることにした
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「神のキューブのありかの探索と、あいつらの行動監視を続行すること、感づかれないように目立った行動はしないことに気を付けるように」とあいつが俺の髪の毛をクルクルと触りながら言う
「やめろ……」といいながら叩き落とすと
通信を終えたのか、画面が消えている
「こんな自由意思があるなんて……」と満面の笑みでいうリオに、にらみを利かせる俺に
「隊長、この捕虜、生意気すぎますリアルがしつけ直しましょうか?」と眼鏡をくいくいと触っている。この女の子はそんなに俺と年が離れていないだろうに、タバコっというものを吸っている。俺の世界では見たこともないものだ……
煙を灰に入れて味はするのだろうか?と興味津々にタバコに手を出そうとすると
リオが「未成年はダメだ」といい器を遠ざける
「私の愛するタバコは、一本も上げませんからね!!」というリアルに、
ベニーは「ヘビースモーカーで灰が真っ黒なんじゃないの」とくすっと余裕のある顔で笑う
「いいから、そこ喧嘩するな、ベニーは酒を飲まそうとするな」
「あらら、でも何事も経験よね」というと
「俺が、飲む」というとワインを仰ぐ
「あら、でもお酒弱いんじゃ」と言う声ともに
がっくりと、体が俺にのしかかってくる
「これ、ドウシタライインデショウカ?」と俺が棒読みでいうと
「リアルが運びますから……」リオはムックと起き上がったかというと俺を勢いよく縦抱きにして、
「部屋に送り届けてくる」というと俺の意見も言わずに動き出す
「おい、おいってば」といってるのにどうやら聞こえないようだった
部屋に戻ると、レオは俺をベッドに運ぶとそのまま眠ってしまった
今逃げたらいけるんじゃないかと、そっと動こうとすると
「逃げても行く当てないでしょ」という声がこだまするそれは不満そうな顔をしているリアルの姿だった
「あなたが、逃げようと逃げまいとどっちでもいいけど、隊長を危険な目に合わせたら許さないから——」と鋭い目で見られえる
こんなにも増悪を向けられたことがなかった俺は、体がびくつくのを感じていると
「ううん、うるさいぞリアル、頭痛い」と言いながらトイレに向かう正義中毒の男レオは、分かっているのかわからないが、俺を一人にしないでほしかったと心の中で愚痴る
「俺は、俺の目的のために何がなんだか、わからないけれどここにいるだけだ」と、なんで、こんなにえらそうに言われなければいけないのだろうか
俺だって、どうすればいいのかわからないのに——
俺はこぶしを握り締める
「まぁ、分かってくれればいいのよ」となぜか気の毒に思ったのかのようで
眼鏡をくぃっとあげながら去っていく
彼女の姿はどこか寂しげだった……




