身体検査
健康診断をしたほうがいいと、連れていかれたのは薬のにおいがただよう実験ラボで、
「やっと合わせてくれましたね……」とワキワキとした動きを知ってくるマッドサイエンティストだ
「さわるな」と手をはじくと
「生きがいい証拠!中身みたい……触りたいグヘへ」とこんなにもイケメンな顔が台無しになるのを初めて見た。やたら顔が動くなこいつ気持ちわる。
「今、何か失礼なこと考えましたね~えぇ、きっとそうです」とプンプンと効果音が鳴りそうな顔をしている
逃げようとすると、肩を抑えられ、座らされる
「すぐすみますからねぇ~やっぱり、一度開いたほうが一発でわかると思うんですけどねぇ隊長」と触り出す
「いいから早く済ませろ、これから予定がある」
「置いてってもいいんですよ」といわれ思わずビックとしてると
「ダメだ」
「ケッチ……」といいながら、金属探知機のようなものでスキャンする
「少し炎症が見られるが、脳に異常なし。体の筋肉は表面が焼けてるが問題なし」
「やけてる!?」と健が繰り返しオウムのように返す
「ふつうは死ぬ装置で、一回使うと死ぬんですがね……珍しいモルモットになります ください」と手をほれほれと動かす
「ダメだと言ってるだろう」というと肩をすくませたふりをするマッドサイエンティストを見ていると
何やら、考え込んでいる正義中毒者
いちいち、面倒だな「名前を俺だけが知らないのは、不公平だ」というと、
「あぁ、リオだ」と興味なさげに答える
マッドサイエンティストは「ルルアだよ覚えてねぇ」と案外雑だなと思ってると
「名前にはあまり意味がないんだよ、昔よく使われていた言葉を適当に選んでるだけだからねぇ
そういう文化はないんだよ」と
特に気にした様子もなく答えるマッドサイエンティストは意外と面倒見がいいのかもしれない
さすさすと触りながら「ねぇ、いつ切る?どこから切ってみる?ちゃんと元に戻すから大丈夫だからね」
「しつこいぞ」
「わかりましたよ。隊長だけ独り占めズルいです」といいながら、
まださすさすとしてるので 手を叩き落とす
何だかどっと疲れた気がする
それもこれも、急に体が心配だからというなら、実験室ではなくて医務室に連れて行くだろう
絶対に建て前で言っただけだなとジーっと見る
気にしていないかのようだった。
「もういいか」というと
「あぁ、」と当たり前のように持ち上げようとしてくるので
「歩ける!」というと、やめてくれた しっかりと手錠がされているから早く外してほしい
どうせ逃げるところなんてないのに……
なんだか、何も進まず時間だけが過ぎていく、早く、侑斗がいるところへ帰りたい。




