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勝利の証明

 正義中毒の男に不本意ながらお姫様抱っこで運ばれる

「この世界は、君の世界とは大違いだろう?」と爽やかな顔で聞いてくる

「えぇ、まあ」となるべく会話したくないのが、ありありと伝わっているかもしれないが、男は気にするそぶりもすることなく、

「ここはね、文化が排除された世界なんだよ、言葉の文化がね……

 君の世界は局所的に閉鎖された世界だったけど、君たちは自分のところ以外の地図は見たことあるかい?僕たちのはとても大きい地図なんだ

君たちのところとは違うのは、頭がいいことがすべてで、賢いことが一番需要視されるそして、頭のいい者同士が、子供を作りまたその次も……

それが、俺たちの世界さ 馬鹿らしいだろう…… 君たちは平等だが、僕たちの世界では完璧 その完璧の定義も一つだけだから……君たちの世界より厳しいんだ」

この人は俺の意見を、会話を聞く気がないのだろうか

悦に入ったようで、ずっと一人で話してる

これは会話というのには、一方的すぎるだろう……まるで、一人で演説してるかのようだった

落ち着いたのか、俺の怪訝そうな顔を見てなぜか、ほっぺをぷにぷにと触ってくる

うっとしいな……何か答えないと、飽きられてそこらへんに捨てられるかも……

口が乾くのを感じながら、

「確かに俺の世界は、そもそも地図を見るタイミングがなかった。みんな平等に同じ世界だからだ……それに、みんな同じ食事に、みんな同じものしか持ってなかっただから……」と答える

どうやら、知識欲が強そうな異世界だから、情報を小出しにしないと飽きられてまた、拷問されるかもしれない……気を付けろ 安心は命取りだ……思いながら眠くなったのか、痛みでの意識消失なのかコテンと寝てしまった

意識が消えそうになる中で、何とか起きていようとあらがったが、自分の意志とは裏腹に目の前が暗くなっていく

                 *

                 *

                 *



コテンと寝てしまったおそらく、機械による作用で、意識が飛んだのだろう……あの機械を使われたら、本来生きてられないのだが……

獲物として異世界からやってきた、おそらく健という名前の少年は思ったより、警戒心が強くかわいい顔をしている まるでチワワみたいだ……


我々と我らの違いは、個を重要視することだ

自分がどう思うかを追い求める俺たちと、我々皆がどうしたいかで決めるあいつらでは大きな違いがある

健が個性的なのは、平等な世界で同じ顔をしているはずなのに顔が変わり奇病と言われて

監禁されてた時に、物珍しがったあいつらが、健を転移させたことだった

こんなにも、我らにぴったりなものはいないだろう

あいつらは、また、健を欲しがり、狙ってくるだろう……

健には悪いが、囮つまり、あいつらの、撒き餌になってもらう

俺は自由と正義が好きだ……このうえなく気持ちいからだ

だから、あいつが言った「我々と君は同じだろう」というあの男のいうことは間違っていないかもしれないと思いながら、空飛ぶバイクに乗り、健を後ろに乗せると手錠で落ちないようにかける

さぁ、我らが自由自警団の隠れ基地に戻ろう……この、勝利の証明をもって……





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