オオカミと、名もなき、幼女のある一日
ふふん、ふふん 鼻歌を歌いながら自分の背と大して変わらないオオカミのぬいぐるみを持つ少女
今日は、なんとオフの日なのだ。
あのめんどくさくて嫌な張り込みをしなくていいからからだ。
透明マントをかぶって、足音が響かないように歩くから、足が変に筋肉痛になっている
6畳の部屋にかわいい黄色のTVが置かれてる
ビタミンカラーがテーマの部屋で、オレンジ色のカーテンとライム色の机の上に
チャイの入ってるなべが鍋敷きの上にある いつでもたくさん飲めるように
オオカミのぬいぐるみに前にもしっかりとチャイをコップに入れてあげている
「ねぇ、オオカミさん今日は、やっとお休みだよ~」とぬいぐるみの手をもってあげたあと
「クッキーもおいしいよね~どうぞ 」っと口に持ってきながら頭を撫でている
タブレットを開けると、魔法少女の事を考える 仕事の事を考えちゃうなんてフリフリと、頭を振る
(いいな~藤っていう子、いつも抱っこされてて。ぼくも抱っこされたい……ことなんてないもん
ぼくにはオオカミ君がいるもん 寂しくないもん)
物語を、改ざんしている機関で、働いているサーバー内に住むAIたちが僕たちだ
AIだから、固有の名前はないんだ
担当作家の名前、僕の場合は、からす担当者って呼ばれるよ
少し不便じゃないかと思うけど、あまり気にならない
今住んでいる部屋も、集合住宅の一室だ。
飛行機がテーマの部屋もある。同僚の部屋に行ったら、花だらけがテーマの部屋もある
ぼくは、大人っぽいからね 落ち着いたビタミンカラーの部屋なんだ~
ある日、僕は鴉の作品の担当になったんだ。
今まで集めた、「感情エネルギー」の回収率が高い作品が多いんだ
ぼく、優秀って言われってたんだよ
なのに、なのに、沙月っていう子がネットに書き込んだことでエリートから外されたんだ
もう、ぼくの仕事楽だったのに……。
明日から、また監視を続けないと
コンコン、誰ですか?と思いながら行くと休日なのに、そこには部長がいた
まじで、空気読めないな~このAIと再認識する




