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171、未来 シニスのダーク

 知成力(ちせいりょく)とは、世界の仕組みを動かす力であり、下位回路の人々から奪われることで、創造主の思惑通りに使われていた。その影響で、下位回路に生きる者たちの思考パターンは偏り、結果としてダークの一群を形作る土壌が生まれていった。


 しかし、ダークの者たちにとって、下位階層の人々の感情は理解しがたいものであった。彼らから見れば、世界の構造はほぼ完璧に整っており、大きな問題はないように思えた。けれど、実際には細かい部分で崩れが生じていた。


 宇宙の法則では、上位階層が下位階層を直接操ることは禁じられていた。それを行えば、上層の世界そのものが乱れる恐れがあるからだ。しかし、創造主はこの禁忌を破り、長い時間をかけて下位回路を操作し、自分にとって都合の良い世界を作り出そうとしてきた。


 ダークの一群は、漆黒の空間に浮かびながら、眼下に広がる青い星――地球を見下ろしていた。彼らは下位回路の思考パターンをより巧みに操るため、仮想世界を創り出し、そこから知成力を奪う計画を進めていた。しかし、その過程で予想外の存在が生まれてしまった。


 それは、創造主と同じように、自分の下位階層を自在にコントロールできる者たちだった。


 今、地球ではまさにその力が発現し、世界の均衡が崩れようとしていた。時間や空間が歪み、複数の未来が同時に存在するような、不安定な状態になっている。ダークの視点から見ても、この世界は揺らぎ、異常な動きを見せていた。


 このままでは危険だ。早急な対処が必要になる。もし創造主がこの状況を知れば、ダークの一群は見捨てられてしまうだろう。


 それだけは、絶対に避けなければならなかった。


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