8 それぞれの想い 3
翌日、中間テストの結果発表があった。朝、学校に着くと、二年生の掲示板に、上位50人の名前が貼り出されていた。
「どうして、うちの学校は公立なのに、こんなことするんだよ~」
「できるヤツはいいけど、できないオレたちはみじめになるだけだぜ」
近くで男子たちがぼやいている。
港町中学校は公立でも、成績のいい人と悪い人の差は大きかったが、偏差値の高い高校に進学している生徒が多かった。地元では、そこそこ進学校として通っており、先生たちも、生徒たちの競争心をあおるために、こういうことをしていた。
今回のテストで、麻子は、もしかしたら……という思いがあったので、いつもより熱心に順位表を見てみた。
すると、1番下に、二宮麻子と名前があった。
あった!
もう少しで、麻子は大声で叫びそうになった。自分の名前は、こんなところに出ることもないだろうと思っていたので、喜びはひとしおだった。
麻子は、少しうわついた気分で、順位表を見てみた。
5番 鈴木翔
仁川真司 合計点 485点
2人は同点だ。
7番 桜小路綾乃 合計点 480点
相変わらず、すごい。
麻子は、綾乃に嫌がらせをたくさんされて嫌だと思っていたが、実力は認めていた。
今度ははるかの名前を探した。
ない、どこにもない……
いつも20番以内に入っているはるかの名前は、順位表には載っていなかった。
そこに、はるかがやってきた。
「おはよう、麻子」
いつものようにはるかが声をかける。そして、ひととおり順位表を見る。
「麻子、名前あったじゃん。わたしの教え方もまんざらでもないわね」
と、はるかは冗談を飛ばした。
麻子はハッと気がついた。
はるかは、わたしと真司のことでものすごく悩んだんだ。だから、成績がこんなに落ちたんだ。わたしには、はるかも大切よ!
同じ痛みが分かっていて、一緒にいると楽しくって。そんな友だち、そうそう現れるものではない。
真司とは友だちでいられるなら、それでいい。
麻子は、また、自分の本当の気持ちに目をふせようとするのだった。
読んでいただき、ありがとうございます。
中間テストの順位表なんていつの時代?と思われた方もいるでしょう。
この麻子と真司たちは、携帯もスマホも普及していない頃の中学生です。
でも、その時代でも、中学校にテストの順位表はないだろう?と言われる方もいるでしょう。
そうです。私が中学生の時もテストの順位表はなかったです。でも、3つ上の学年まではあったようです。
フィクションなので、ご容赦ください。
現代で、テストの順位表が貼り出されたら、嫉妬いじめや弱い者いじめになりますよね。
まあ、フィクションなので……




