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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第五章 ガインの町

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第84話 メイの結婚式

 私の里帰りから、しばらくの時が流れた(ころ)

 メイは気持ちの整理がついたのか、ゴランさんを恋人として紹介(しょうかい)してくれた。

 その時の婚約(こんやく)の許可を取った(さい)に、次のように言ってゴランさんに念を押していた。

「あなたは私がいないとだめそうだから、結婚してあげるのよ? 感謝(かんしゃ)しなさいね」

 しかし、幸せそうな顔をしながら言われても、全く説得力(せっとくりょく)がなかった。

(以前から思っていましたが、メイはいったい、どこのツンデレヒロインさんでしょうか?)

 私はそのような感想(かんそう)(いだ)いていた。

 エルクは、当初、メイをゴランさんの実家に嫁入りさせるつもりだったようだ。しかし、ゴランさんの実家が遠慮(えんりょ)したため、急遽(きゅうきょ)、領主館の近くに二人の新居(しんきょ)を建設中だ。

 メイも(すで)に二十一歳になっており、年齢を考えて、婚約(こんやく)期間(きかん)は二か月と短めに設定された。

 そして、二か月後。メイの結婚式が始まった。

 私は、幸せそうに花嫁(はなよめ)衣裳(いしょう)を着ているメイと軽く会話を交わした後、必死に勉強していたゴランさんを(ねぎら)うために、彼の控室(ひかえしつ)(たず)ねた。

「ゴランさん、ご結婚おめでとうございます。やはり、二年にもわたって勉強したのは、無駄(むだ)ではなかったですね」

「おじい様! ありがとうございます! あなた様のおかげで、今の私があります!!」

 ゴランさんは(すで)感極(かんきわ)まっていて、泣いてしまっている。そんな彼に、私はもっと幸せになって欲しくて、さらなる努力を(すす)める。

「メイは頭の良い殿方(とのがた)が理想ですから、さらに勉強すれば、もっと()れてくれて、もっと幸せな結婚生活が送れると思いませんか?」

 ゴランさんは大きく(うなず)き、同意してくれる。

「はい。私もそう思います」

 私もウンウンと(うなず)き、続きを語る。

「では、また勉強したくなったら、いつでも私を(たず)ねてきてください。もうそろそろ、高等学校も開校するはずですから、その内容も(あわ)せて教えますよ」

 ゴランさんは深く(こし)()り、元気よく返事をしてくれる。

「ありがとうございます! おじい様! 必ずメイを幸せにして見せます!!」

 メイを心から愛してくれているその姿に、私はとても心が(あたた)かくなり、泣きじゃくっているゴランさんに挨拶(あいさつ)をしてから、そのまま退室(たいしつ)した。

 そうして結婚した二人であったが、新居(しんきょ)の建設が間に合わなかったため、今は領主館の一室で、幸せな新婚(しんこん)生活(せいかつ)を送っている。


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