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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第十三章 革命

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第225話 だいなまいと

 会議(かいぎ)を終えた私は、その足でダイガクの自分の研究室へと向かい、そこで(あたら)しい攻撃(こうげき)手段(しゅだん)についての考察(こうさつ)を、一人、進めていた。

地球(ちきゅう)(きん)現代(げんだい)の『戦車(せんしゃ)』のような極端(きょくたん)兵器(へいき)は、さすがに必要(ひつよう)ないでしょう。それよりも、もっと開発(かいはつ)容易(ようい)なもので、何かありませんかね……」

 しばらく(あご)に手を当てて考えを(めぐ)らせ、やがて結論(けつろん)(いた)る。

「やはり、『火薬(かやく)』を改良(かいりょう)するのが、一番になってくるでしょうね」

 現在(げんざい)のゾウキンバクダンには、ニトロセルロースが使われている。これ以上を目指(めざ)すとなると、TNT火薬(かやく)やニトログリセリンの開発(かいはつ)必要(ひつよう)になってくるだろう。

(さいわ)いなことに、化粧品(けしょうひん)保湿(ほしつ)(えき)に『グリセリン』と思われるものがありますから、ここは、『ニトログリセリン』を作ってみましょう」

 ニトログリセリンの材料(ざいりょう)は、お分かりの通りのグリセリンだ。グリセリンには保湿(ほしつ)効果(こうか)があるため、地球(ちきゅう)でも広く化粧品(けしょうひん)に使われている。

 ダイガクで様々(さまざま)物質(ぶっしつ)の研究が進んでおり、その中には、グリセリンと思われるものもいくつかある。

 それを使えば、ニトログリセリンも作れるだろう。

「ただ、『ニトログリセリン』は非常(ひじょう)不安定(ふあんてい)物質(ぶっしつ)なので、すぐに暴発(ぼうはつ)してしまうのが難点(なんてん)なのですよね……」

 ニトログリセリンは無色(むしょく)油状(あぶらじょう)液体(えきたい)で、ちょっとした衝撃(しょうげき)を加えるだけでも暴発(ぼうはつ)してしまうかなり危険(きけん)物質(ぶっしつ)だ。

 実際(じっさい)(むかし)はこれが鉱山(こうざん)採掘(さいくつ)現場(げんば)発破用(はっぱよう)として使われていたのだが、暴発(ぼうはつ)事故(じこ)()えず、問題(もんだい)になっていた時代がある。

「ここは、偉大(いだい)なノーベルの発明品(はつめいひん)を使わせてもらいますか。鉱夫(こうふ)安全(あんぜん)のために開発(かいはつ)された『ダイナマイト』を、この世界でも戦争(せんそう)に利用させてもらいましょう」

 ノーベル(しょう)を作ったことで有名なアルフレッド・ノーベルは、暴発(ぼうはつ)事故(じこ)(きず)つく鉱夫(こうふ)たちを(うれ)い、安全にニトログリセリンを(あつか)えるようにと、ダイナマイトを開発(かいはつ)した。

 しかし、皮肉(ひにく)なもので、ダイナマイトはその手軽(てがる)(ゆえ)に戦争で多用されるようになり、彼は人殺しの道具で巨万(きょまん)(とみ)()てしまう。

 それに心を(いた)めたノーベルが、人類(じんるい)発展(はってん)()()した人に遺産(いさん)を分け(あた)えて()しいとして作られたのが、ノーベル(しょう)であることは有名(ゆうめい)な話だろう。

 そんな、(こころ)(やさ)しいノーベルには大変(たいへん)(もう)(わけ)ないのだが、この世界でもダイナマイトを戦争(せんそう)利用(りよう)させてもらう。

 作り方は意外(いがい)単純(たんじゅん)で、(すな)粘土(ねんど)にニトログリセリンをしみ()ませることで、衝撃(しょうげき)に強くするのである。

「ただ、この研究(けんきゅう)開発(かいはつ)危険(きけん)なものになってくるでしょうから、(ぼう)御魔法(ぎょまほう)瞬時(しゅんじ)展開(てんかい)できる私が、直接(ちょくせつ)、進めるべきでしょうね……」

 いくら仕組(しく)みの上では簡単(かんたん)だといっても、開発(かいはつ)するには、その分量(ぶんりょう)などを試行(しこう)錯誤(さくご)する必要(ひつよう)があり、かなりの危険(きけん)(ともな)うと予想(よそう)される。

 そこで、いべんとはんどらを使えば瞬時(しゅんじ)(ひかり)(だて)の魔法を展開(てんかい)できる私が、直接(ちょくせつ)開発(かいはつ)するのが妥当(だとう)だろう。

「よし。そうと()まれば、早速(さっそく)研究(けんきゅう)開始(かいし)です!」

 私は(みずか)らの(ほお)を両手でパンッと(たた)き、気合(きあい)を入れて、来るべき日に()けての開発(かいはつ)開始(かいし)したのであった。


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