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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第十二章 進む近代化

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221/226

第221話 子孫の弟子

 いくつかの研究室を立ち上げてから、(またた)く間に三年ほどの月日が流れ()っていた(ころ)

 天然(てんねん)ゴムの研究室では、無事(ぶじ)()作品(さくひん)が作れるまでになっていた。

 今は私の専用機(せんようき)のゴムタイヤに使われており、耐久(たいきゅう)テストなどの実地(じっち)試験(しけん)()(がえ)(おこな)われている。

 一般的(いっぱんてき)な魔力ジドウシャでテストしないのは、私の専用機(せんようき)が、一番、過酷(かこく)な使い方をするため、テストにはうってつけだからだそうだ。

 また、この(ころ)、ニーナは二十一歳になっていた。

 幼少(ようしょう)(ころ)から魔道具に強い興味(きょうみ)(しめ)していたため、ヨシツネと私が(よろこ)んでいろいろと(おし)()んでいたら、すっかり魔道具バカに(そだ)ってしまっていた。

「私ではなくて、むしろ大おじい様の影響(えいきょう)ですよ?」

 そのように、ヨシツネは(つま)のヘレナさんに釈明(しゃくめい)していた。

(私を免罪(めんざい)()のように使わないで欲しいです)

 ニーナは高等学校を卒業(そつぎょう)したその日のうちに私の自室を(たず)ねて来て、かなり早口(はやくち)になりながら直談判(じかだんぱん)を始めた。

「大おじい様! 私を弟子(でし)にしてください!!」

 あまりにも(いきお)いよく頭を下げるので、私の方が、若干(じゃっかん)気押(きお)されてしまい、少し再考(さいこう)(うなが)してしまう。

「私は別に(かま)いませんが、ニーナはそれでいいのですか? ヒデオ工房だと、どうしても身内(みうち)贔屓(びいき)だと言われかねませんので、他の工房の方が気兼(きが)ねなく修行(しゅぎょう)ができるのではないですか?」

 そすると、ニーナはブンブンと音がしそうなほど(くび)(はげ)しく()り、否定(ひてい)する。

「何をおっしゃるのですか、大おじい様! この都市、いえ、この国で最高の魔道具工房と言えば、間違(まちが)いなくヒデオ工房ですよ! 他人のさえずりなど、私は全く気にしませんので、この世で最高の親方(おやかた)である大おじい様の元で、どうか修行(しゅぎょう)させてください!!」

 そのあまりにも真剣(しんけん)必死(ひっし)様子(ようす)に、私は許可(きょか)を出すことにした。

「分かりました。ですが、他の弟子(でし)たちと区別(くべつ)なく仕事を()りますので、そこだけは覚悟(かくご)してくださいね」

「それこそ望むところです!」

 こうして、子孫(しそん)(はつ)弟子(でし)となったニーナは、その宣言(せんげん)(どお)りに必死(ひっし)になって修行(しゅぎょう)(かさ)ねた。その結果(けっか)、あっという間に一人前(いちにんまえ)となり、(だれ)もが(みと)める魔道(まどう)()職人(しょくにん)になっていた。

 そんなニーナが生涯(しょうがい)伴侶(はんりょ)として(えら)んだのは、同僚(どうりょう)魔道(まどう)()職人(しょくにん)の一人であった。

 その人は私の弟子(でし)の一人でもあるロレインで、真面目(まじめ)職人(しょくにん)として、私の信任(しんにん)(あつ)い青年だ。

 二人は順調(じゅんちょう)にお付き合いを続けており、昨年、正式な婚約者(こんやくしゃ)となっていた。

 ニーナもロレインも魔道具が好きすぎて、二人ででかけるとロクにデートもせずに、図書館(としょかん)(きっ)茶店(さてん)で、ずっと魔道(まどう)()談義(だんぎ)()り広げていた。

 そんな魔道具バカの二人は、今日、無事(ぶじ)結婚式(けっこんしき)を終えて夫婦(ふうふ)となっていた。


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