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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第十二章 進む近代化

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第216話 ディーゼルえんじん

 ユキムラの結婚式(けっこんしき)から、しばらくの時が経過(けいか)していた(ころ)

 私は約束(やくそく)した通り、子孫(しそん)たちに職業(しょくぎょう)選択(せんたく)自由(じゆう)をできるかぎり早く(あた)えるべく、さらに平民に力を()けさせる方法を、一人、思索(しさく)し続けていた。

「ここからもっと発展(はってん)させるとなると、やはり、『蒸気(じょうき)機関(きかん)』よりも(すぐ)れた産業用(さんぎょうよう)動力源(どうりょくげん)必要(ひつよう)になってくるでしょうね……」

 いつものように、ヒデオ工房の工房長室において、(ひと)(ごと)(つぶや)きながら考えをまとめていく。

「となると、やはり、『内燃(ないねん)機関(きかん)』しかありませんね」

 熱をシリンダー外部で(あた)えて蒸気(じょうき)を作り、その圧力(あつりょく)でピストンを動かすのが外燃(がいねん)機関(きかん)である。

 それに対し、内燃(ないねん)機関(きかん)ではシリンダー内部で爆発(ばくはつ)()こし、その圧力(あつりょく)で上下運動を()こす方法になる。

 外燃(がいねん)機関(きかん)比較(ひかく)すると、より精密(せいみつ)工作(こうさく)技術(ぎじゅつ)要求(ようきゅう)されるようになるのだが、現在(げんざい)までの技術(ぎじゅつ)蓄積(ちくせき)を考えれば、総力(そうりょく)結集(けっしゅう)すれば作れるはずだ。

 そして、内燃(ないねん)機関(きかん)実現(じつげん)できると、効率(こうりつ)(すぐ)れる上に小型化(こがたか)容易(ようい)になって来る。

「『ガソリンエンジン』に(くら)べると、まだ工作(こうさく)難易度(なんいど)が低いと思われる『ディーゼルエンジン』を、まずは目指(めざ)すことにしましょう」

 内燃(ないねん)機関(きかん)代表例(だいひょうれい)として、車のエンジンとして有名なディーゼルエンジンとガソリンエンジンがある。

 ディーゼルエンジンでは、燃料(ねんりょう)圧縮(あっしゅく)すると自然(しぜん)発火(はっか)する現象(げんしょう)を利用するため、ガソリンエンジンと比較(ひかく)すると点火(てんか)プラグが省略(しょうりゃく)できるなどの利点がある。

 ディーゼルエンジンは、ディーゼルという人が発見(はっけん)した熱力学上(ねつりきがくじょう)原理(げんり)であるディーゼルサイクルと()ばれるものを利用している。

 ちなみに、ガソリンエンジンでは、オットーが発見(はっけん)したオットーサイクルを利用している。

 そのため、私は燃料名(ねんりょうめい)であるガソリンを使うのではなく、偉大(いだい)発見(はっけん)をした人物に敬意(けいい)(はら)い、オットーエンジンと()ぶべきだと、常々(つねづね)、思っている。

 閑話(かんわ)休題(きゅうだい)

 ディーゼルエンジンの有用性(ゆうようせい)(しめ)すためには、やはり、列車(れっしゃ)のように具体的(ぐたいてき)(おう)用例(ようれい)を作るべきだろう。そのためには、自動車(じどうしゃ)が一番であると思われる。

 ただ、この時に問題(もんだい)になってくると考えられるのが、エンジン本体の開発(かいはつ)(のぞ)けば、トランスミッションだろう。

 その()部品(ぶひん)については、今の魔力ジドウシャのものが、ほぼそのまま応用(おうよう)できると考えられる。

 セルモーターに(かん)しても、車載(しゃさい)バッテリーとして使える蓄電池(ちくでんち)は、(さいわ)いにして(すで)開発済(かいはつず)みになっているため、比較的(ひかくてき)簡単(かんたん)に作れるだろう。

 しかし、ギアチェンジを(おこな)うトランスミッションだけは、どうしても新規(しんき)開発(かいはつ)(おこな)必要(ひつよう)がある。

 とはいっても、初期(しょき)モデルにおいては、それほどの性能(せいのう)はないと思われるので、変速(へんそく)ギアについては必要(ひつよう)最低限(さいていげん)でいいだろう。

 問題(もんだい)になってくるのは、バックギアだ。

 残念(ざんねん)ながら、私にはトランスミッションに(かん)する正確(せいかく)構造(こうぞう)知識(ちしき)がない。そのため、かなりの試行(しこう)錯誤(さくご)要求(ようきゅう)されると考えられる。

子孫(しそん)たちの重荷(おもに)を少しでも軽くするために、頑張(がんば)って(かい)(はつ)するとしますか!」

 私は気合(きあい)を入れるために、自分の(ほほ)を両手でパンッと(たた)いて、研究(けんきゅう)開始(かいし)合図(あいず)としたのであった。


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