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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第十二章 進む近代化

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第215話 大おじい様の薫陶

 それから、また四年ほどが経過(けいか)した(ころ)

 ユキムラは(たくま)しく成長していた。性格(せいかく)はお母さんのヘレナさんに()たようで、アウトドア()活発(かっぱつ)な青年に(そだ)っていた。

 剣術(けんじゅつ)馬術(ばじゅつ)(など)、とにかく外で体を動かすことが大好きな、健康的(けんこうてき)好青年(こうせいねん)になっていた。

 (きた)え上げた剣術(けんじゅつ)(うで)(たし)かなもので、かつてのエルクを彷彿(ほうふつ)とさせるような、細身(ほそみ)の体には似合(にあ)わない優秀(ゆうしゅう)壁役(かべやく)になっていた。

「もし、領主にならなくてもいいのであれば、私はガイン自由都市軍の一兵士となって、この都市の住民を、直接(ちょくせつ)、守りたいですね……」

 ある時、このようなことを、ユキムラは少し(さみ)しそうな(かお)をしながら(かた)っていた。

(方向性こそ(ちが)いますが、やはり、ヨシツネとユキムラは親子ですね)

 私はそのように(かん)じてしまい、思わず私の野望(やぼう)進捗(しんちょく)具合(ぐあい)(かた)り聞かせていた。

「今はまだ無理(むり)ですが、このままこの都市を発展(はってん)させ続け、後数十年もする(ころ)には、私の子孫(しそん)たちにも職業(しょくぎょう)選択(せんたく)の自由が()られる国になると思います。あなたの代では無理(むり)でしょうが、せめて、あなたの子供か(まご)が好きな職業(しょくぎょう)()けるように、私に力を()してはくれませんか?」

 私がそのように説明(せつめい)すると、ユキムラは微笑(ほほえ)みながら、力強く(うなず)いてくれた。

 そんなユキムラが生涯(しょうがい)伴侶(はんりょ)として選んだのは、傭兵(ようへい)で魔術師として活躍(かつやく)しているリノアさんという女性だった。

 どこか、かつてのルースの面影(おもかげ)があるように感じられて、私は、一人、以下の(よう)に考えて納得(なっとく)していた。

(やはり、ユキムラもエルクの子孫(しそん)なのですね)

 リノアさんは優秀(ゆうしゅう)傭兵(ようへい)として身を立てているだけはあり、男性の言うことに唯々諾々(いいだくだく)(したが)うだけの女性ではなく、確固(かっこ)とした意見を持つ立派(りっぱ)な女性だ。

 むしろ、ユキムラの方が()り回されている印象(いんしょう)すらある。

 そんな様子(ようす)を見た家族たちは、以下の(よう)(ひょう)していた。

「やはり、大おじい様の薫陶(くんとう)が行き(とど)いているようで、うちの一族の男どもは、(しん)の強い女性が(この)みのようですね」

 私は思い当たる(ふし)がありすぎて、ただただ、苦笑(くしょう)するしかなかった。

 そんなユキムラとリノアさんは、昨年、正式な婚約者(こんやくしゃ)となっていて、本日、無事(ぶじ)結婚式(けっこんしき)()げて、(あら)たな夫婦(ふうふ)となったのであった。


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