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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第十二章 進む近代化

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第210話 領主の休暇事情

 この(ころ)になると、ヘレナさんが第二子を出産(しゅっさん)していた。

 生まれた子供は女の子で、後にニーナと名付(なづ)けられた。黒髪(くろかみ)に青い(ひとみ)をした、玉の(よう)可愛(かわい)らしい赤ちゃんだ。

 父親のヨシツネは、(むすめ)誕生(たんじょう)をことのほか(よろこ)んでいた。

 (なか)のいいヨシツネとヘレナさんであるから、すぐにでも第二子を(さず)かるだろうと思われていたのだが、思いのほか時間がかかってしまったのは、ヨシツネがずっと(いそが)しかったからだろう。

 領主になってからのヨシツネは、いつも以下の(よう)なことを苦笑(くしょう)()じりになりながら(かた)っていた。

「領主がこれほど(いそが)しいとは思っていませんでした。デートの時間が取れないと、愚痴(ぐち)(つま)(なだ)めすかすのが大変です」

 彼はストレスが()まって来るとお(さけ)持参(じさん)で私の部屋を(たず)ねてくるようになり、そこでひたすら愚痴(ぐち)(こぼ)して発散(はっさん)していた。

 その状態(じょうたい)があまりよくないと感じた私は、ヨシツネに対して以下の(よう)提案(ていあん)をしていた。

「ヨシツネ、こうしませんか? 私がしばらく領主の業務(ぎょうむ)代行(だいこう)しますので、長期(ちょうき)休暇(きゅうか)取得(しゅとく)して、しっかりと英気(えいき)(やしな)ってください」

 それからのヨシツネは、ある程度(ていど)頻度(ひんど)長期(ちょうき)休暇(きゅうか)を取ってくれるようになり、やがて夫婦(ふうふ)(なか)(しゅう)(ふく)されていったようだ。

 そのかいもあってか、(のぞ)まれていた第二子の懐妊(かいにん)(つな)がったのであった。

(むすめ)というのは、こんなにも可愛(かわい)いものなのですね」

 このようなことを恵比須(えびす)(がお)になりながら(かた)っているヨシツネは、もう完全にデレデレになっていた。

「私たちのような(おとこ)(おや)からすると、やはり、(むすめ)というのは、とてつもなく可愛(かわい)いものですよね」

 わたしもこのようなことを(かた)っていたので、おそらくは同じような(かお)をしているのだろう。

「大おじい様、本当にありがとうございます」

「どうしたのですか? いきなり(あらた)まって」

 突然(とつぜん)真顔(まがお)になってお(れい)()べ始めるヨシツネに、私は何事(なにごと)だろうかと思った。

「大おじい様が協力(きょうりょく)してくださったので、長期(ちょうき)休暇(きゅうか)が取れるようになりました。そのおかげで子宝(こだから)にも(めぐ)まれまして、こうして(むすめ)とも出会うことができました」

「私もニーナに出会えてとても幸せですから、お礼を言われるほどのことはしていませんよ?」

 私とヨシツネはそう言って、お(たが)いに微笑(ほほえ)みあった。

(領主といえども人間ですから、時には長期(ちょうき)休暇(きゅうか)必要(ひつよう)ですね。これからは、定期的(ていきてき)長期(ちょうき)休暇(きゅうか)を取るように提案(ていあん)してみましょう)

 私はそのように、心に決めたのであった。


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