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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第十二章 進む近代化

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第206話 ぱらしゅーと

 それから、また二年ほどの時が()()っていた(ころ)

 ヘレナさんは第一子となる男の子を出産(しゅっさん)していた。ヨシツネにとっても、待望(たいぼう)跡継(あとつ)ぎの誕生(たんじょう)になる。

 金の(かみ)に青い(ひとみ)をした、元気に()(さけ)活発(かっぱつ)そうな赤ちゃんである。

 一族の伝統(でんとう)(のっと)り、私がユキムラと命名(めいめい)した。源義経(みなもとのよしつね)からの名将(めいしょう)(つな)がりということで、真田(さなだ)幸村(ゆきむら)から名前をいただいた。

 また、この(ころ)の私は、とあるものの開発を(おこな)っていた。

 これを開発してみようと思いついたのは、何気(なにげ)なく、イジェクト改Ⅱの魔法式を(なが)めていた時のことになる。

「『イジェクト改Ⅱ』に統合(とうごう)してしまっている『エアクッション』の魔法を分離(ぶんり)すれば、高いところから落ちても大丈夫(だいじょうぶ)なのでは?」

 そう、気づいたのだ。

 ただ、今のままでは、落下(らっか)方向(ほうこう)正確(せいかく)に魔法を展開(てんかい)するのが困難(こんなん)になるので、全身を(おお)うように改良する必要があるだろう。しかし、それさえ(おこな)えば、ある程度(ていど)衝撃(しょうげき)吸収(きゅうしゅう)できるようになるはずだ。

「よし。ここはいっそのこと、『パラシュート』を開発してみますかね」

 蒸気(じょうき)機関(きかん)の開発という大きな仕事が完了(かんりょう)した私は、ここで趣味(しゅみ)の研究を始めてみることにした。

 落下(らっか)衝撃(しょうげき)緩和(かんわ)できるようになれば、パラシュートの実験(じっけん)もできるようになるだろう。

 しかし、パラシュートは原理(げんり)こそ単純(たんじゅん)なものになるのだが、実際(じっさい)に使うとなると、細々(こまごま)としたところの開発に手間取(てまど)ると考えられる。

 パラシュートの(たた)み方一つをとってみても、手順(てじゅん)(どお)りに正確(せいかく)(たた)まなければ、使用時に(から)まるなどしてきちんと開かなくなる危険性(きけんせい)がある。

 よって、自分で実験(じっけん)してみるとしたとしても、いきなり生身(なまみ)の体を使って飛び()りるのは危険(きけん)すぎるだろう。

 そのように考えた私は、まずは体重と同じくらいの(おも)りを使っての実験(じっけん)を始めた。

 飛び()り台のような(やぐら)を作り、そこからパラシュートを付けた(おも)りを何度も落下(らっか)させる。

 この実験(じっけん)()り返して成熟(せいじゅく)してきたと思われる(ころ)に、自分で飛び()りるための下準備(したじゅんび)を始めた。

 いくら衝撃(しょうげき)緩和(かんわ)できる魔法があるとはいえ、何もない地面(じめん)に向かって落下(らっか)するのでは、あまりにも危険(きけん)すぎる。そこで、内部(ないぶ)に空気を(ふく)んだエアマットレスを開発した。

 エアクッションと命名(めいめい)しなかったのは、魔法と同じ名称(めいしょう)になるのを()けたためである。

 まずは低い位置から実験(じっけん)を始め、少しずつ改良(かいりょう)(くわ)えながら高さを()していった。

 何度も高いところから飛び()り始めた私を見て、家族たちは心配(しんぱい)してくれて、他のものは以下の(よう)に言って(いぶか)しんだ。

「いったい、何を始めたのだろうか?」

 それに対し、私は以下の(よう)返答(へんとう)していた。

(あたら)しい技術(ぎじゅつ)の開発をしています」

 そう説明(せつめい)すると、みんな以下の(よう)に言って納得(なっとく)してくれていた。

「それなら、私たちに理解(りかい)できなくてもしょうがない」

 実験(じっけん)は時に失敗(しっぱい)することもあり、打撲傷(だぼくしょう)()うこともあったのだが、おおむね順調(じゅんちょう)に開発は進んだ。

 そして、最近(さいきん)になって、ようやく「ぱらしゅーと」が完成(かんせい)していた。

「さて、次は、このぱらしゅーとの有効(ゆうこう)利用(りよう)方法(ほうほう)を考えないといけませんね……」

 私はそのように(つぶや)き、(あら)たな研究(けんきゅう)課題(かだい)を考え始めていた。


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