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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第十二章 進む近代化

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202/226

第202話 ガイン自由都市の宝石

 それからさらに、三年ほどの時が流れ()った(ころ)

 蒸気(じょうき)機関(きかん)の研究は順調(じゅんちょう)に進んでおり、今では、ある程度(ていど)の大きさの鉄道(てつどう)模型(もけい)を使った実験が(おこな)われていた。

当初(とうしょ)覚悟(かくご)していたよりも、かなり短い期間で開発が完了しそうですね)

 私は日々進む研究に、(たし)かな手ごたえを感じていた。

 また、島の里で産出(さんしゅつ)している魔石も順調(じゅんちょう)流通(りゅうつう)しており、魔石の価格も若干(じゃっかん)の落ち着きを見せ始めていた。

 そして、この(ころ)になると、セリアは二十歳(はたち)になっていた。

 彼女が赤ん(ぼう)(ころ)に予想していた通りに、とても美しく成長していた。両親に()てとても知的な女性にもなっており、どこかかつてのネリアを彷彿(ほうふつ)とさせる、丁寧(ていねい)物腰(ものごし)淑女(しゅくじょ)でもあった。

 そのため、周囲(しゅうい)からは、次第(しだい)に「ガイン自由都市の宝石」と呼ばれて(たた)えられるようになっていった。

 そんなセリアを()()かせようと、男性陣(だんせいじん)熾烈(しれつ)(あらそ)いを()り広げていたのも、予想(よそう)の通りであった。

 まだ(おさな)時分(じぶん)からモテモテであったため、父親のイサミが(しぶ)い顔をしながら、以下のように言っていた。

「まだまだ、あなたたちは一人前(いちにんまえ)とは(みと)められませんので、セリアは絶対に(だれ)にも(よめ)にやりません」

 このようなセリフを、口を()っぱくして()り返していたのも、今となってはいい思い出になっている。

 そんなセリアも、昨年には恋人を家族に紹介(しょうかい)していた。イサミもさすがに、まだ一人前でないとは言えなくなっていたようで、しぶしぶながらも紹介(しょうかい)を受け入れていた。

 そのお相手(あいて)はカルロさんという名前で、若手(わかて)官僚(かんりょう)として働いているそうだ。

 その彼の周囲(しゅうい)からの評価(ひょうか)は、以下のようなものだったらしい。

真面目(まじめ)なこと以外に取り()のない、面白(おもしろ)みのない人」

 そんな陰口(かげぐち)(たた)かれてしまうほど、真面目(まじめ)誠実(せいじつ)な青年だった。

(カルロさんはどこかレオンさんに()雰囲気(ふんいき)ですし、やはり、セリアはネリアに()ているのでしょうかね?)

 私はそんな感想(かんそう)(いだ)いていた。

 そして、今日。セリアとカルロさんの結婚式(けっこんしき)の日だ。

 周囲には(すで)に、血の(なみだ)を流しそうな男性たちが、多数、やけ酒を(あお)っている。そんな男性陣(だんせいじん)怨嗟(えんさ)視線(しせん)を受けながらも、式はつつがなく終わりを(むか)え、今は披露(ひろう)(えん)が開かれている。

 セリアとカルロさんは、まず両親であるイサミとリリアさんに挨拶(あいさつ)()ませていた。

 その席でイサミの顔が憮然(ぶぜん)としていたのは、まあ、ご愛敬(あいきょう)のうちだろう。

 その次に私のところへと来たセリアは、ずっと疑問(ぎもん)に思っていたらしい内容(ないよう)についての質問(しつもん)を始めた。

「私がカルロ様を紹介(しょうかい)した時、大おじい様は、一人だけ、納得(なっとく)表情(ひょうじょう)をしておられました。その理由(りゆう)をお聞かせ(ねが)えないでしょうか?」

 私は少し笑顔(えがお)になり、正直(しょうじき)にそれに返答(へんとう)する。

「四代目領主のシゲルの姉に、ネリアという女性がいたのですが、彼女とあなたはそっくりなのですよ。ネリアも、とても真面目(まじめ)誠実(せいじつ)な男性を旦那(だんな)(さま)(えら)びましたので、ああ、なるほどなと思ったのです」

 このような一幕(ひとまく)もありながらも、披露(ひろう)(えん)無事(ぶじ)に進行していった。

 ただ、周囲(しゅうい)には()いつぶれた男性たちが、死屍(しし)累々(るいるい)といった様子(ようす)であちこちに()み上がっていったのだが、まあ、()れないでおくのが(やさ)しさだろう。


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