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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第十二章 進む近代化

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第200話 魔石不足

 蒸気(じょうき)機関(きかん)の研究は、ゆっくりとではあるが着実(ちゃくじつ)に進んでいた。

 現在(げんざい)では、複数(ふくすう)のシリンダーを連結(れんけつ)した模型(もけい)実験(じっけん)が続けられている。後はこれを徐々(じょじょ)に大型化させていき、機関車(きかんしゃ)搭載(とうさい)できるように応用(おうよう)するのが、今後の目標(もくひょう)である。

 その一方で、ガイン自由都市では、魔力もーたーを代表(だいひょう)とする魔道具の利用(りよう)拡大(かくだい)を続けていた。

 その影響(えいきょう)で魔石の需要(じゅよう)急拡大(きゅうかくだい)を見せており、価格(かかく)高騰(こうとう)が続いている。中でも、多くの魔力を(ふく)んでいる大型の魔石の需要(じゅよう)が高くなっており、不足(ふそく)が目立つようになっていた。

 小型で大量(たいりょう)の魔力を(ふく)んでいる、森の(さと)産出(さんしゅつ)している魔石に(いた)っては、もはや天井(てんじょう)()らず言っていいほど価格(かかく)上昇(じょうしょう)し続けている。

 これらの要因(よういん)により、これまでは使い()てにしていた魔石を回収(かいしゅう)する業者(ぎょうしゃ)(あらわ)れるようになっていて、魔石の再利用(さいりよう)急速(きゅうそく)に進んでいる。

 魔力の充填(じゅうてん)ができる少し多めの魔力持ちにとっては、簡単(かんたん)(かせ)げる仕事が増えたようだ。

 ただ、ある程度(ていど)以上(いじょう)魔力(まりょく)密度(みつど)を高めることがヒム族にとっては(むずか)しかったため、低い密度(みつど)で多くの魔力を()めることができる、大型の魔石に人気(にんき)集中(しゅうちゅう)している。

 大型の魔石を利用(りよう)すれば、ヒム族であっても、何日かに分けて充填(じゅうてん)することにより、多くの魔力が()められたからだ。

 再利用(さいりよう)が進んだとはいえ、まだまだ魔石の不足(ふそく)が目立っており、領主館の運営(うんえい)会議(かいぎ)議題(ぎだい)になるほど問題化(もんだいか)し始めていた。

 その席で、領主のイサミが私に相談(そうだん)を持ち()けていた。

「大おじい様、森の(かく)(ざと)のみなさんに、もっと魔石を作って()しいとお(ねが)いすることはできませんか?」

 私はしばらく腕組(うでぐ)みをして、ウーンとうなりながら中空(ちゅうくう)を見つめて考えを(めぐ)らせ、それから否定的(ひていてき)意見(いけん)()べる。

「お(ねが)いすれば、いくらかは増産(ぞうさん)してくれると思います。ですが、あなたも知っての通り、(さと)のみんなは無欲(むよく)ですからね……。不足(ふそく)解消(かいしょう)できるほど大量生産(たいりょうせいさん)してもらうのは、ちょっと(むずか)しいでしょう」

 私の結論(けつろん)を聞いた官僚(かんりょう)たちの間から、()(いき)(こぼ)れる。

 私は(あご)に手を当ててまたしばらく考え、思いついた代案(だいあん)提案(ていあん)してみる。

「そうだ。クリスさんの(さと)のみんなにお(ねが)いしてみてはどうでしょうか? あの(さと)には(てつ)製品(せいひん)がありませんから、それと交換(こうかん)してもらうことを条件(じょうけん)に、なんとか交渉(こうしょう)してみましょう。ただ、あの(しま)にはあまり魔物がいませんから、魔石はこちらから持ち()必要(ひつよう)がありますが」

 イサミは少し笑顔(えがお)になり、みんなを代表して私に交渉(こうしょう)(たく)す。

「それはいいアイデアですね。その方向で、大おじい様に交渉(こうしょう)をお(ねが)いしても(かま)いませんか?」

 私は大きく(うなず)きを返し、了承(りょうしょう)の意を(つた)える。

「ええ、もちろんです。仕事を理由(りゆう)堂々(どうどう)(いと)しい人に合ってきますので、ちょっと日程(にってい)余裕(よゆう)さえもらえれば、(よろこ)んで飛んでいきますよ?」

 私が大真面目(おおまじめ)な顔でそのように惚気(のろけ)ると、その場に少し(わら)いが()()こった。


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