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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第十二章 進む近代化

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第199話 いつか、遠い未来で

 それから、(またた)く間に四年の歳月(さいげつ)が流れ()った(ころ)

 昨年、リョウマが天へと旅立(たびだ)っていった。

 そして、今年に入ると、フィーナとティータも相次(あいつ)いで旅立(たびだ)っていった。どこまでも(なか)のいい姉妹である。

 私は今回も笑顔(えがお)見送(みおく)ることに成功していた。しかし、家族たちはみんな、旅立(たびだ)っていったリョウマたちではなく、私を見て(なみだ)を流していた。

 なんでも、私の笑顔(えがお)での見送(みおく)りは「大おじい様の微笑(ほほえ)み」と呼ばれていて、一族のものであれば(なみだ)を流さずにいられないと、そう言われるほどの(かな)しいシーンとして有名なのだそうだ。

 その話を聞いてしまったこともあり、私は、少なくとも(ひょう)面上(めんじょう)は落ち()んだ様子(ようす)をなるべく見せないように努力(どりょく)していたつもりだ。

 しかし、子孫たちはそんな私を見かけるたびに、以下の様に言って(やさ)しく(さと)してくれていた。

「泣いてしまっても、別に(かま)わないのですよ?」

 しかし、これはエストと()わした大切(たいせつ)約束(やくそく)で、(すで)対価(たいか)ももらっているものだ。

 何があっても、私はこの約束(やくそく)(たが)えるつもりはない。

 最近になって、ようやく、私はこの長すぎる寿命(じゅみょう)の本当の意味が理解できるようになっていた。

 そのきっかけとなったのは、エストの旅立(たびだ)ちを知った祭司長が、以下の様に言って()()てていた言葉だった。


 『これじゃから、先祖返りの長すぎる寿命(じゅみょう)は、(のろ)いの(たぐい)じゃというのじゃ』


 この言葉に()められた思いが、身に()みて理解できるようになっていた。

 しかし、なればこそ、私は家族と()わした約束(やくそく)だけは、どうあっても守り通してゆきたい。

 この長すぎる旅路(たびじ)も、いつかは必ず終わる時が来る。

 その時こそ、天国で(なつ)かしい家族たちと再会し、私は、こう、自慢(じまん)するのだ。

「どうです? 私はちゃんと生き()きましたよ? あなたたちとの約束(やくそく)も、思い出も、なにもかも全部、大切(たいせつ)にして最期まで頑張(がんば)り通しました。ですから、少しだけでいいのです。私を()めてくださいね」

 そのためにも、落ち()んではいられない。私は、次第(しだい)に、仕事に没頭(ぼっとう)するようになっていった。


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