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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第八章 学校教育の推進

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第157話 新たな観光名所

 それから、さらに一年の時が流れ去った(ころ)

 この(ころ)になると、セネブ村までの街道(かいどう)もかなり整備(せいび)が進んでいた。しかし、馬車に(たよ)った輸送(ゆそう)であるため、思っていたほどの輸送量(ゆそうりょう)にはなっていない。

 そのため、ガイン自由都市の主要(しゅよう)道路(どうろ)のごく一部にのみ、あすふぁるとの舗装(ほそう)がされている状態(じょうたい)になっている。

 そんなある日。

 今日は領主の執務室(しつむしつ)業務(ぎょうむ)をこなしていると、仕事が一区切(ひとくぎ)りしたカズシゲが、お茶を飲みながら雑談(ざつだん)を始めた。

「そういえば、大おじい様は、また(あたら)しい観光(かんこう)名所(めいしょ)を作ったのですね」

 私はその発言に思い当たる(ふし)がなく、首を(かし)げながら否定する。

観光(かんこう)名所(めいしょ)ですか? そのようなものを作った(おぼ)えはないのですが……」

 それを聞いたカズシゲが、少し目を見開(みひら)いて確認(かくにん)を取り始める。

「え? でも、大おじい様が、あすふぁるとの道路(どうろ)を作ったのですよね?」

「それは作りましたが、それと観光(かんこう)名所(めいしょ)がどう関係するのですか?」

 カズシゲは少し笑顔(えがお)になりながら、真相(しんそう)(かた)ってくれる。

「そのあすふぁるとの道路(どうろ)が、観光(かんこう)名所(めいしょ)になっているのですよ」

 私はその指摘(してき)(おどろ)いてしまい、疑問(ぎもん)を投げかける。

「ただの道を見て面白(おもしろ)いのですか?」

「ただの道ではありませんよ。あれは、()ぎ目のない、一枚岩の道路(どうろ)ですよね?」

「まあ、そうとも言えるでしょうね」

 カズシゲは大きく(うなず)きながら、どこが観光(かんこう)資源(しげん)になるのかを(かた)ってくれる。

「ですから、これこそが伝説(でんせつ)の古代魔法文明時代の道ではないかと、もっぱらの評判(ひょうばん)なのですよ。そこで、伝説(でんせつ)の道をぜひとも一目(ひとめ)()たいという平民が、多数、(おとず)れているのです」

 私はその説明(せつめい)に、なるほどと(うなず)いて同意した。

「今は目新(めあたら)しさもあって物珍(ものめずら)しいのでしょうが、いずれは各地にあすふぁるとの道路(どうろ)()(めぐ)らせたいので、そのうち見慣(みな)れたものになるでしょうね」

「大おじい様は、どこまでこの道を作るつもりなのですか?」

 私は(あご)に手を当てて今後の展望(てんぼう)を少し考え、それに返答(へんとう)する。

「まずは原油(げんゆ)大規模(だいきぼ)精製(せいせい)施設(しせつ)を作ってからになりますが、セネブ村や各種の鉱山、そして、石炭の炭鉱(たんこう)などにも()(めぐ)らせていきたいですね。そうすれば物流(ぶつりゅう)活性化(かっせいか)しますから、さらにこの都市は発展(はってん)できるはずです」

 私のこの説明(せつめい)を聞いたカズシゲは、少し(あき)れ顔になりながら感想を()べる。

「大おじい様の開発は、本当に(とど)まるところを知らないのですね。古代魔法文明の再現(さいげん)まで()き進むつもりですか?」

 私はそれに微笑(ほほえ)みを返しながら、これから先の展望(てんぼう)(かた)る。

「古代魔法文明とはまた(ちが)った形になるでしょうが、例えば、機械(きかい)を使って自動で(ぬの)()れるような、そんな機械化(きかいか)文明(ぶんめい)目指(めざ)してみたいですね」

 それを聞いたカズシゲも笑顔(えがお)になり、後押(あとお)しをしてくれる。

「そんな(ゆめ)のような世界を、私もぜひとも見てみたいですね」

 いずれは蒸気(じょうき)機関(きかん)開発(かいはつ)して、産業(さんぎょう)革命(かくめい)目指(めざ)してみるのもいいかもしれないなと、この時、初めて考えたのであった。


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