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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第八章 学校教育の推進

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第147話 決意

 それから、しばらくが経過した(ころ)

 私は、生まれ故郷の森の隠れ里へと里帰りしていた。

 新しい子孫(しそん)誕生(たんじょう)など、祭司長にいろいろと外の世界の出来事(できごと)面白(おもしろ)おかしく伝えるためである。

 祭司長はコロコロと笑いながら、私の土産話(みやげばなし)を聞いてくれている。

 彼女は私よりもかなり年上で、長い年月を生きているはずなのだが、その笑顔(えがお)は、どこまでも素朴(そぼく)さが残る素敵(すてき)なものだ。

(ああ……。私はとっくの昔に、この笑顔(えがお)(とりこ)になっていたのですね)

 私はこの時になって、ようやく自分の恋心(こいごころ)をはっきりと自覚(じかく)していた。

 その時、ふと、エストの訃報(ふほう)を知らせた時の様子(ようす)が思い()かんだ。

 エストの旅立ちを知った祭司長は、(うつむ)加減(かげん)になり、ただ一言(ひとこと)()き捨てるようにして(つぶや)いた。

「これじゃから、先祖返りの長すぎる寿命(じゅみょう)は、(のろ)いの(たぐい)じゃというのじゃ……」

 その言葉を思い出した時、私はある事実に思い(いた)った。

(私一人ではとても()えられない子供(こども)子孫(しそん)たちとの別れも、祭司長様と二人でなら、きっと……)

 そこまで考えを進めた後、私はあることを強く決意(けつい)する。

(いつか、王国での仕事(しごと)を全て()えた時、その時こそ、私は……)

 その時、頭の中でチラリとクリスさんの顔が思い()かんだ。

 私は、心の中でだけ、クリスさんにひたすら平謝(ひらあやま)りしながら祭司長との楽しい会話を続け、今回の里帰りを()えた。


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