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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第七章 ガイン自由都市

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第115話 電卓の再開発

 新価格での魔道具の販売が始まった(ころ)と時期を前後して、ネリアが産気(さんけ)づいた。

 ただ、今回はとても安産(あんざん)だったようで、思っていたよりも短い時間で出産が終わっていた。

 生まれた子供は女の子で、後にレアと名付けられた。

 レオンさん(ゆず)りの黒髪と、ネリア(ゆず)りの茶色い瞳をした、元気よく泣くとても可愛(かわい)らしい赤ちゃんだ。

 この部分だけを見るとまるで日本人の(よう)にも感じるのだが、(はだ)の色はお母さんに似たようで、とても色白(いろじろ)な美人さんだ。

「この子も将来、結婚する(ころ)になると多数の男性を泣かせてしまうに(ちが)いありませんね」

 私はもはやひいひいジジバカを(かく)そうともせずに、そんな発言を()り返して周囲に(なま)(あたた)かい笑顔(えがお)を向けられ続けていた。

 それからしばらくの間は、ネリアの家を度々(たびたび)(たず)ねてレアの世話(せわ)をさせてもらい、とても(しあわ)せな時間を()ごしていた。

 ちなみに、まだまだ封建的(ほうけんてき)意識(いしき)が残るこの国ではあるのだが、私が積極的(せっきょくてき)()(そだ)てに参加しているのを見ていたためなのか、我が家の一族は父親も()(そだ)てに参加するのが当たり前の価値観(かちかん)になっている。

 そして、それからの私は、合金の研究が終わったことによる余暇(よか)を利用して、また新しい魔道具の研究を開始していた。

 次に作りたいものは決めていた。かつてコストの面で開発を断念(だんねん)していた、電卓(でんたく)の再開発である。

 合金の配線(はいせん)の完成によりかなりのコストカットが実現(じつげん)できたので、今なら作れるのではないかと考えたためだ。

 ただ、かつての設計のまま配線(はいせん)だけを変更した場合、かなり巨大なものになってしまう上に、まだ巨額(きょがく)資金(しきん)が必要になると考えらえる。

 だが、そのための改良(かいりょう)(あん)も、実はずっと以前から(あたた)めていた。

 がすこんろを開発した時に判明(はんめい)したことになるのだが、魔道具形式の魔法式でもある程度(ていど)の魔力制御力はあるようで、いくらかは位置をずらして魔法が発動(はつどう)できる。

 これを応用(おうよう)して、光の魔道具の発光(はっこう)部分(ぶぶん)をできる限り小型化し、位置をずらすようにして発動(はつどう)させると、LED()わりの発光(はっこう)部品(ぶひん)をいくつかひとまとめにすることができる。

 そうすると、必要な魔法式のプレートや配線(はいせん)がぐっと少なくなると予想されるため、合金の配線(はいせん)(あわ)せて使用すれば、過去にルツ親方に指摘(してき)されたような、()作品(さくひん)だけで国家プロジェクト級の資金(しきん)が必要になることはないはずだ。

 そのように考えを進めた私は、光の魔道具の小型化と魔法の発動(はつどう)位置(いち)効率的(こうりつてき)にずらすための研究を地道(じみち)に続けていき、日々が()ぎていった。


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