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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第六章 初代様

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第107話 島の里での生活

 ()けて翌日。

 起床(きしょう)していつものようにクリスさんと一緒(いっしょ)の朝食も()ませた私は、早速(さっそく)ダイズの種まきを教えることにした。

 いつまでもお世話になりっぱなしになるわけにもいかないので、私も積極的に畑仕事を手伝(てつだ)った。

 その次に行ったのが、ミソ作りである。

 ただ、ミソの発酵(はっこう)のためには少し時間が必要になってくるため、仕込(しこ)んでからは、トウフ作りのニガリを入手することにした。

「塩を作る時に最後に煮詰(につ)めますよね? あそこで捨てている水がニガリになります」

 そのように指導(しどう)して、トウフ作りも始めた。

 ミソシルの魅力(みりょく)を知って欲しかった私は、コウジと一緒(いっしょ)にいくばくかのミソも持ってきていた。

 やがて完成したばかりのトウフを使い、取っておいてもらった魚のアラであら(じる)を作り、ミソシルの一種として周囲の人にふるまってみた。

「魚のアラが、こんなに美味(おい)しいスープになるのですね」

「ミソは私の領地の特産品ですから、その魅力(みりょく)を知ってもらえて私も(うれ)しいですよ?」

 クリスさんとそんな会話を楽しみながら日々を()らしていた。

 また、私は島の生活のお手伝(てつだ)いの一環(いっかん)として、クリスさんの()り行う儀式(ぎしき)補助(ほじょ)も行うようになった。

 (おどろ)いたことに、この里での儀式(ぎしき)の手順や祝詞(のりと)は、私の里と同一のものであった。

(やはり、以前は、この里と私の里でも交流があったのでしょうね)

 私はそんな感想を(いだ)きながら、儀式(ぎしき)のお手伝(てつだ)いをしていた。

「祭司様。これ、今が(しゅん)の魚です。そのまま塩焼きにするととても美味(おい)しいですよ?」

 里の住人の一人の男性が、私におすそ分けをしてくれる。

 私もこの里に馴染(なじ)んだのか、いつの(ころ)からか、私の呼び名から「森の」が省略(しょうりゃく)されるようになっていた。

「いつもすいません」

「いえいえ。祭司様の狩ってこられる鳥肉を食べるのが、この里のみんなの(ひそ)かな楽しみになっていますので」

 そのようにして、島の里での楽しい日々は過ぎていった。


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