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傷物の夫人は旦那様に尽くしたい  作者: すのーきゃっと
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領地の事を知ろう③商会の問題点

そして今日最後にまわるのがネルビー商会。

農作物を農園から買い取りを各地へ農作物を売って利益を得ている。

また注文を受けて農園に依頼する仲介業者の役割も担っている。

それにその他にも魚介類や肉類を買い取って同じようなこともしている。

生活に必要な生物が多く、やはり保存に苦労しているという。

すぐに買い手がつかないことも踏まえて買い手がつかまると注文することが多くすぐに依頼品を届ける事が難しいという。

この地は冬は寒く、夏は暑すぎるくらい暑い。

冬のうちにたくさんの雪を保存部屋に運び込み大型の冷蔵庫かわりにしているという。

ただ、夏は非常に暑いのでその雪も溶けてしまうが小さな冷蔵庫では何台あっても足りない。

大きなそれ用の倉庫に大きな冷凍庫のような役割ができればと色々な人を今頼って模索しているという。

あとは運ぶときも冷凍庫をかついでいけるような馬車があるといいなという話が出た。

保存箱に氷をたくさん入れていても夏の日差しの暑い中を布を覆っているとはいえすぐに氷も溶けてしまうという。

何年か前までは大丈夫だったが、ここ最近の異常な暑さで運んでる途中に傷んでしまうものもあるという。


「大きな課題ですね。」

ネルビー商会の社長さんであるトムさんは私の言葉に大きく頷いて

「せっかくみんなが大事に育てた物を鮮度最高で届けたいけどそうも行かない。歯がゆいんだよ。」

「うーん。大きな冷凍室か。」

冷凍庫があるんだから作れそうだけど…。

電力もかなり必要となるだろうし…。

ある程度部屋が冷えた状態のまま保存箱に氷を入れておけば日持ちはするようにはなるかな…。


「奥様。そろそろ夕食の時間になりますが…。」


そんな声が遠くから聞こえてきた気がしたけど…。


「その保存室連れて行ってもらえるかしら?私が入っても大丈夫?」

「もちろんですが…。」

トムさんがチラッとコークスのほうを見た。

「コークス。もう少しで終わるから時間ちょうだい。」

「かしこまりました。あと1時間だけですよ。」

コークスは諦めたようにそう言うと護衛騎士に何かを伝えてどこかに行ってしまった。

そんな事も露知らずに私は保存室へと足を入れたけど…。

うーん。

涼しいとはいいがたいこの部屋に農作物が入っている保存箱がたくさん積み上がっている。

外とは厚い壁で遮断されているみたいだけど何人もの人がここを出入りしてれば外の空気が入ってくるし、せめて入り口に外の空気が入らないように布とかビニールとかあれば少しは増しになるんだろうけど…。

保存箱にはたくさん氷が入っていたんだろうけど水となっている。


「この入り口にビニールか布か熱を通さないもの下げて。それを保存している農作物がおいてあるところ何ヶ所かに

。中の空気が逃げないようにと外からの空気が入らないように遮断するためにね。あとはとりあえず応急処置で。」

水の魔力と風の魔力を発動させて大きな氷を作っていく。

何ヶ所にもおいて少しはこの室内の温度も冷えてきたように感じる。


「保存箱の中の氷溶けてるから補充したほうがいいと思います。あ、とりあえず保存箱の中の氷補充して布かビニールで空気を逃さないようにして。私、3日後またくるのでそのときにどの程度氷が溶けてるか確認するわね。たぶん3日くらいは大丈夫だと思うんだけど。」


私の言葉にびっくりした顔で私を見る。

コークスも唖然としている。


「何か?」

「何かとか…。こんな大きな氷みたことありません。」

「そう?」

「そうですよ!奥様ありがとうございます。」

「いえいえ。て…奥様ってバレてる…。」

「奥様。もう隠す必要はよいような気がしますよ。」

苦笑いしてそう言うコークス。

「そうね。なぜかみんなわかっちゃうのよね。なぜかしら。」

みんな鋭すぎよね…。


~~~~~コークスside↓↓

なぜかみんなわかっちゃうのよね…って…

わかりますよ。

こんな優秀な人、この地にいたならあっと言う間に話題に上がってます!

公爵夫人は研究者もしていた変わり者の優秀な人という噂は公爵領に広がっている。

結婚式の翌日にまだ幼さの残る可愛い少女なのに的確な指示と知識の広さを存分に出している。

それにしても氷まで作ってしまうとは奥様はまだまだ底しれない能力があるようだ。

普通のことのようにやっているが果たしてこの地域、いや魔法省に所属している魔道士たちだってできるかわからない。

そろそろ迎えの馬車も来る頃だから奥様を連れて帰らなければ。

ただ、まだネルビー商会のトム達と話し込んでいる。

凄い方だ。

執事としてこれ以上心強い奥様はいないような気がする。

淑女としてはかける部分はあるとは思うが…。

そこは少しは大目に見よう。

この方ならもしかしたら旦那様の心も…。

なんて事を考えていると奥様が私のほうを見た。

「コークス。夕食後手伝ってくれる?やらなきゃいけないことがたくさんあるの。男手と調理室借りれるようにしておいて。」

そう言う。

旦那様の報告は明日になりそうだな。

「かしこまりました。奥様。」

「トムさん。皆様。こんな時間までありがとうございました。何かあれば遠慮なくご連絡ください。私も3日後また来ます。」

そう言う奥様に皆さん笑顔を向けて

「お待ちしております。それまでに改善できるところしておきますので。」

そう言っていた。

ちょうど1時間。

奥様は時間にもきちっとしてらっしゃるか。

明日からはきちっと時間もお伝えしておこう。

そして帰りは馬車で公爵家に向かった。

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