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傷物の夫人は旦那様に尽くしたい  作者: すのーきゃっと
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領地の事を知ろう②農園を知ろう

コークスの奥様であるリベラさんの昼食は本当に美味しかった。

この地域でとれている野菜や肉、魚をふんだんに使った料理とこの地域でとれる果物のデザート。

味付けがその素材をいかしてるから本当に美味しい。

「奥様は本当に美味しそうに食べてくださるので嬉しいです。」

「リベラさんの味付けが絶妙なんです。本当美味しい。幸せです。」

「奥様、リベラです。さんはいりません。」

コークスからの相変わらずのつっこみ。

「そうですよ。奥様。リベラと呼んでください。」

「ええ。わかったわ。リベラ本当にありがとう。」

「奥様のお口にあったなら良かったです。」

ニコニコしてそう言うリベラに私も笑顔を返す。

「さて、次は農園を回りたいわ。ざっと資料見たんだけど果物ってそのまま生のまま出荷してることが多いから、他に加工して出荷する事も考えても良いのかもしれないわ。そうすればもっと遠くまでこの地域でとれる果物や他の物も出荷できるし、生だと傷みも早くて遠くまでは出荷できないから。そうすれば苦労して作ってくれた作物をもっともっと多くの人に知ってもらえる機会になるかもしれないから。」

私の言葉にみんな笑顔で頷いてくれた。

「では、次は農園をまわってみましょうか。」

「うん。朝話したとおりこの地域で1番大きな農園と小さな農園それとその商品を扱っている商会にいきたいわ。」

「かしこまりました。」

「あと私はコークスの姪っ子って事でお願いね。」

私の言葉に苦笑いしながらも頷いてくれたコークス。


「では、出発!」

私は農園に向かって歩き出したんだ。

馬車で行くって言ってたけど断ったの。

領地を足で歩いて知りたいと思って。

小さなことでも見逃したくない。

この領地を潤わし、領民を幸せにする事が私が公爵様にできるご恩返しだから。

それしかできないから…。


そして、最初の場所はコークスのお屋敷からもそう離れていないモーリスさんの農園。

若いご夫婦二人で営んでいる。

小さなお子さんがいるお二人だった。


「見たことのない果物。わぁ。甘いにおい。」

「これは南国より種を取り寄せてみたの。バーバラさんのツテを頼って頼んでもらったの。私達は新しい果物をこの地で作りたくて。」

バーバラさんというのはこの地域で1番大きな農園をしているところだった。

みんなこの地の人達は協力してやっていけてるのね。

良かった。

「食べてみる?」

「わぁ。いいんですか?」

「うん。ちょっと待っててね。」

慣れた手つきで果物を切ってくれるモーリスさんの奥さん。

真ん中に大きな種が入ってるみたい。

わぁ。オレンジ色のみずみずしい果実。

「さぁ。食べてみて。」

「いただきます。」

私は切ってもらった果実をそのまま口にほおりこんだ。

「わぁ。みずみずしくて本当美味しい。これ南国の特産なんですか?」

「そうよ。この地でこの地域なら頑張れば美味しくできないかなと思って。ビニールハウスも買って温度調節してやっとできたのよ。今度商会にもかけあってくるのよ。」

「商会ってネルビー商会ですか?」

「そうよ。」

「きっとうまくいきます。こんなに美味しいだもん。あとこのジャムとかあるといいですよね。パンとかに塗って食べると美味しそう。」

「まぁ。いい考えね。ちょっと考えてみるわ。他のものでもできそうよね。」

「ですね。すごいですね。新しい挑戦。素晴らしいとおもいます。」

「それができるのもこの地の農園の皆さんがフォローしてくださるからよ。しっかりと特産物を作ってくれて、私達若者が何か挑戦したいといえば一緒に考えてくださるから。」

「それがこの地の今後の発展にも繋がっていくんですね。勉強になりました。」

「ううん。逆にこんな若い子がしっかり勉強してるんだもの。私達もっと頑張らないとって思ったわ。」

私の顔を見てニッコリ笑って

「この領地の奥様が良い方で良かったわ。」

小声でそう言ったの。

私はびっくりしてモーリスさんの奥さんの顔を見ると

「来てくれてありがとうございます。」

そう言われてしまって私のほうが慌ててしまった。

「主人には内緒にしておきますね。」

そう言ってくれたのでホッとして

「ありがとうございます。今後もよろしくお願いします。」

私が頭を下げるとモーリスさんの奥さんは慌ててそれをやめさせた。

あとでコークスにそれはそれはしっかりと怒られました。

そんなこんなで私達はバーバラさんの農園へとまた歩き出したんだ。

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