領地の事を知ろう①良質の鉱物
「わぁ。素晴らしい質ね。この鉱石。魔力が備わっているのね。魔剣が作れるわ。あ、こっちのほうは守りの力が強い鉱石じゃない。素晴らしいわ。」
宝の山の鉱山に私はワクワクしていた。
しかも質も一級品。
なのになぜこれの鉱石を使用した魔剣とか防御魔法を強化するための魔石が作られていなのか不思議。
そんな私を不思議そうに見るコークスとテイトと公爵家の専属騎士であるオルドー。
三人は顔を見合わせる。
「あの。奥様は魔力がお分かりになるのですか?」
「ええ。みんなもわかるでしょ?この鉱山に泥棒が入ろうとするのも頷けるけど下手なことするとその泥棒偉い目に合うから泥棒にあう心配はなさそうね。まぁ、魔力が強い人に入られたら無理だろうけど…。あとで強化しておこうかしら。ここに入る人はコークスとテイトの他にリベラさんに限定して他の人が入る場合は三人の誰かと一緒じゃないと入れないようにしておくわ。それくらいしか私には出来ないけど…。不便があったら言って。改善するから。あとはちょっと調べたいから魔力の違う鉱石達を少しずつ持っていっても大丈夫かしら?」
ん?
みんな私の顔を見ている。
何か言いたげ。
「奥様、申し上げにくいのですが私達3名はこの鉱石の魔力についてはわかりません。」
「え!?そうなの!?普通にみんなわかるのかと思ってた…。」
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本気でびっくりしていらっしゃるこの奥様には私達三人のほうがびっくりだった。
今朝だってそうだ。
積み上がっていた書類をあの山のような書類をすべて裁ききっていた。
それも正確に読み取り、付箋も多数貼られていた。
それを使いの者に公爵様に届けてもらうようにしてもらったが公爵様もさぞ驚いていらっしゃるだろう。
優秀だと聞いていたがここまでとは…。
なぜ今まで婚約者がいなかったのか…。
いや…作らなかったんだろうということは察しがついた。
これだけ優秀で見た目もお可愛らしく性格にも問題ないどころか領民達にも温かな笑顔で自ら挨拶していき色々質問していく奥様。
そして先程のテイトに頼んだ資料。
あの川を見てこの領地での水害を予測しての対応がしたいと言うことだろ。
大きな水害は今の所出てないがこれからはわからない。
どこの貴族も欲しがる逸材だろ。
それに鉱石に微量に流れる魔力を感じ取る能力。
今もテイトとオルドーに鉱石の場所をメモさせつつ、魔力の違うものを少し採取している。
研究者でもあったと聞いていたがどこまでのお人なのか。
ただ、奥様にとってはそれが当たり前のものだと思っているらしい。
悩みながら少しずつ鉱石採取している姿はやはり研究者にしか見えない。
騒がしくなりそうだがこの奥様なら公爵領を安心して仕切ってもらえると思った。
直感だが。
まだ安心はできないがとにかく奥様の能力は高いということだけはわかった。
公爵様には夜にでもご報告しよう。
そう思ったが奥様の領地まわりはその後も続き、公爵様にお会い出来るのが次の日になるとはこのときは思っていなかった。